ごきげんようチャンネル

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「学説」のトラウマ  演出されたフロイト
フィル・モロン『フロイトと作られた記憶』から、さらに引用。



アメリカの精神医たちがフロイトから手に入れたのは、なによりもコトバだった。

それまで精神医が使っていたのは、トラウマ(外傷)といういかにも軍医上がりのコトバ以外には、意志、感情、勇気、決意、自制心といった日常語にすぎなかった。だからフロイトが患者観察の中から練り上げて創案した一連の用語は、なによりの贈り物だったのだ。

もっとも、フロイトの用語の中には、彼がわざわざ日常語を使った「私」(イヒ)だの、ほかに言いようがないから「それ」(エス)と言ったコトバも交じっていた。

当然のことながら、当時のアメリカ人は、もっと「科学」らしい感じがするようラテン語に直して、エゴだのイドだのと、こむずかしい術語に仕立てあげた。

こうして数十年の年月を経るうちに、多くの精神分析用語や概念が診察室から漏れでて庶民に広がり、日常の普通のコトバとして使われるようになったのである。」



(フィル・モロン(中村裕子訳)『フロイトと作られた記憶』岩波書店、2004年、104−105頁)




「学説」の流行なるものが、こうした側面をもっていることは、昔も今もあることだろう。


新理論の安易な受容。

世間に受け入れられやすくするための「コトバ」の作出。

受容と流行のあとにやってくる、執拗で深刻な影響。


しばらく言葉を失う。







(おわり)







| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 怪しい認知言語学 | 21:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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