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みにつもる ことばのつみも あらはれて こころすみぬる 三重(みかさね)のたき

   『山家集』1118

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英語論は英語習得法ではない 無意識のすり替えについて

英語学の著名な論者には、当然、英語ネイティブが多い。

 

英語ネイティブの学者が英語を語ると、英語の表現態が喚起する意味、つまり現象が対象になりがちである。日本人による国語学が、日本語語彙の形態が示唆する意味の分析に傾きがちなのと同様である。

 

英語学の場合、日本人学者のような英語の非ネイティブも参加しているが、日本人が英語ネイティブの英語論を学び、解釈し、日本語で成果を発表するとき、無意識のうちに、あるすり替えが起こる。

 

英語学は、英語の文字がどういう意味を喚起するかを論じているのだが、それが非ネイティブにとっては、英語を身につけるにはどうしたらいいかについての話にすり替わって認識されやすいのである。

 

じつは英語ネイティブや日本人英語学者の英語論は、「われわれは英語からこういう認識を得ている」と自己解説しているのであって、英語を習得するにはどうしたらいいかを正面から論じているのではない。

 

英語の習得については英語教育学というものもある。英語教員の多さゆえに、英語教育学会は盛況である。だが英語教育学の基礎になるべき英語学は、ネイティブやすでに英語がわかる人による解説に終始しているため、英語教育学は英語学から必要なサポートが得られず、たいてい技術的な改善論議をしている。

 

英語学も英語教育学も、われわれがどのように英語を習得したらよいかという問題に、根本的に答えていない。そこで、個人の体験にもとづく英語学習法の主張や、体験主義の英会話学校が隙間を埋めることになる。

 

現状はそうなっているように、私には見える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の文法 トランス・グラマー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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