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   『山家集』1118

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ヘーゲルは観念の世界では正しい

ヘーゲルの弁証法が「逆立ち」しているとマルクスが評したのは、有名だ。

 

 

「弁証法はヘーゲルにあっては頭で立っている。神秘的な外皮のなかに合理的な核心を発見するためには、それをひっくり返さなければならない。」(マルクス『資本論』第二版後記、大月文庫版 41頁)

 

 

なるほどヘーゲルが、人間や世界が頭で立っている(観念から現実世界が生まれる)と考えたところは順序がおかしい。だが、頭じたい(概念の運動形態たる弁証法そのもの)は、ちゃんとしている。

 

だから、

 

 

「弁証法がヘーゲルの手のなかで受けた神秘化は、彼が弁証法の一般的な諸運動形態をはじめて包括的で意識的な仕方で述べたということを、けっして妨げるものではない。」(同上頁)

 

 

ヘーゲルがいう概念の世界の探求とは、言語がわれわれに見せる世界を探求することである。言語世界では、主体(主語)が自己を否定して自己展開し、自己展開することによって主体へと帰還する。このように、言語世界はそれじたいで独立している。そこからヘーゲルは勇み足して、現実世界まで「頭で」立たせてしまった。

 

だが、言語世界は概念を媒介にして現実世界を反映してもいる。ヘーゲルが洞察した、言語がみせる概念の自己展開の形式=弁証法は、現実のあり方を深く反映していた。だからヘーゲルは偉大だったし、マルクスも自分はヘーゲルの「弟子」(同上頁)だと認めて、弁証法を継承した。

 

『資本論』が物象や資本という社会的観念的存在についての書であり、弁証法なしでは成り立たなかった書であることは、いまだ一般に理解されていないような気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の哲学 世界はトランスする | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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