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         大鏡


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未知数 x というコロンブスの卵 未知を概念化する人間の知恵

数学で方程式を習ったとき、未知の数をとりあえず x と表現しておいて、あとで答えがわかるという仕組みに、ちょっと不思議な感じがした。

 

いま思えば、これは「未知」という認識に x という表現を与えて概念化したもの。それは「無」という認識に「ゼロ」という表現を与えて概念化したことに似ている。

 

言語には、古くからこの仕組みが内蔵されている。日本語でなんと呼ぶのかわからないものを、「○○な何か」と表現することがある。英語なら、 something や nothing のように、対象の実体性をおおざっぱにつかんだ概体概念や、what, how のように、対象の未知の側面を未知のままに呼ぶ臨惑概念がある。これらは未知数を x とおく数学の知恵の原型であろう。

 

未知の対象を、さしあたり未知のものとして概念化する。そうすれば、その正体が展開のうちに見えてくる。

 

演劇では、人物がはじめ未知数として登場し、劇の展開のうちにその正体が見えてくる。正体が見えない、正体がないことが、その人物の正体だったりもする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の文法 トランス・グラマー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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