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         大鏡


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「古墳時代」の人類史的意味

『古墳時代の考古学』という10巻シリーズが、2010年代に発行されている(同成社刊)。

 

「刊行の趣旨」と題する編集代表者の文に感心したので、メモしておきたい。

 

 

「社会の膨大なエネルギーが墳墓記念物の造営に投入されたという点で、日本史上でも異彩を放つ古墳時代。上古の日本に高大な墳墓を造って死者を弔う事例が存在したことは、江戸時代以前から人びとの知るところであったが、その存在を以て一つの時代を画そうとという試みは、いまだ日本の近代考古学揺籃期の空気が漂う19世紀末に、八木奘三郎によって提唱された。八木自身が慎重にも『便宜上』という語を付して呼称した『古墳時代』は、以来幾多の発見と研究の積み重ねを経て、また、とりわけ皇国史観の強要から解放された第二次世界大戦後の実証的、理論的研究の進展によって、今日では明確な歴史的意義と内容を有する時代として区分されるに至っている。」

 

 

「古墳時代」という名称と認識は、ここ100年ほどの曲折を経て、次第に確立したことがわかる。

 

日本史の時代名は、政治の中心となった地名を冠することが多いが、「古墳時代」は、無数の「墳墓記念物」をもって時代名としている。それは、「旧石器」「縄文」「弥生」のように、器物の様式による時代名とも異なる、雄大なイメージを喚起する名称だ。

 

それは、今日のわれわれから見て、そうとう異質な生産力と観念が支配した時代であった。

 

われわれがそうした時代との結びつきを見出すとすれば、「ご先祖の話」といった直系的な感覚よりもむしろ、世界史・人類史という地球横断的な思考経路を経由したほうが、生産的なような気もする。

 

大型の墳墓をさかんに造営した時代。これは、人類史のあちこちに存在した。

 

大型造営物に社会のエネルギーを集める人間の行為の価値・意志・意味の多様性と変化という角度から、人類の歴史を考えてみるのも面白いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:00 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
祖先崇拝は人類の初期段階からあります。その崇拝観念と、自己権威の誇示を狙った複合遺構で、旧石器、縄文、弥生時代からの祖先崇拝とのあり方の変遷の一段階として銅鐸国家を含め正しく歴史に位置づける必要があるのでは。

現在の戦後史学、考古学は未だ、皇国史観の強要から解放されておらず、一面的な歴史認識であることを再考すべき段階にあります。■
| 矢車 剣之介 | 2018/09/11 4:18 PM |









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