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         大鏡


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ループ状交流路がもつ歴史的パワーについて

東海地方では、「東海環状自動車道」という巨大インフラの建設が進行している。東半分はほぼできており、現在は西半分の工事が進んでいる(全長160キロ)。

 

東名・名神・中央、東海北陸、東名阪、新名神と結合するので、東海環状自動車道が完成すれば、名古屋圏は何本もの高速道路網が横断し、かつループ状に囲まれることになる。

 

行政発表の資料によると、こうした高速道の整備は、

 

 

・主要都市間の移動所要時間の短縮→出荷、観光、通勤の便の向上

 

・インターチェンジをもつことによる、自治体知名度の向上→集客・人口誘引力の向上

 

・工場生産物・農産物の出荷効率の向上

 

・緊急医療、災害時の援助ルートの確保

 

 

といった効果がある。全体として、高速道は「持続的なまちづくり」に貢献するという。

 

上記は道路がもつ一般的な効果だが、高速道がループ状につがなることによる特殊な効果として、

 

 

・郊外から都心部への進入・都心部からの離脱のルートが分散されるため、交通集中が緩和される

 

・通過する車両が都心部に入らないので、交通集中が緩和される

 

・災害や事故による一部区間の不通のさい、迂回路が確保できる

 

 

といったものがあるという。

 

 

...

 

 

古い話になるが、日本列島の歴史のなかで近畿地方が中心地になった背景のひとつに、大阪・京都・奈良の平地がループ状につながるという自然条件があったのではないかと、私は思っている。

 

この地域には大和川・木津川・淀川などによる輸送の便があり、西には大阪湾、東には琵琶湖があって、外部との水運のつながりも確保できる。

 

このように、ぐるりとループをなす流通ルートがあると、左右どちら周りでも移動できるため流通量が増える、三角貿易的な売り買いを重ねながら効率的に利益を得て帰還できる、といった効果が期待できる。それだけに、一帯を政治的に統一しようとする動機も強まったであろう。

 

古代の都が、どれも近畿地方で建設されたのは、地域内外の多様な物産や人間が、ループに沿って円滑に交流できたからかもしれない。

 

古代の地中海文明や、大西洋の奴隷貿易も、海の交通により、多角的なループ状の結合が可能だったことが、有利な条件になったのではないだろうか。

 

...

 

 

上記の東海環状自動車道の例では、中心に名古屋という人口集中地があり、そこへの交通集中を緩和することが、ループ状道路建設の大きな目的に入っている。そこは古代とのちがいになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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