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         大鏡


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野放しの兵器市場 「戦力不保持」の思想はいっそう輝いている

世界に存在する兵器は、核兵器や正規軍の装備だけではない。

 

それ以外にも、銃や迫撃砲など、無数の兵器がシリアなどの紛争地帯に輸出され使用されている。対テロ対策として民間人に使わせる目的で政府が買い取ったり、外国からの援助として現地政府や武装勢力が受け取ることもある。

 

兵器輸出は、アメリカ、ヨーロッパ諸国、ロシア、中国が大半を占めるが、注意すべきは、輸出される兵器は、それぞれの輸出国で製造されたものとは限らないということである。

 

世界最大の兵器輸出国であるアメリカ(世界シェア40-50%)の場合、ロシア型の兵器(かつてロシアで製造されたものやその模倣品)を民間業者が集めたり、ブルガリアなどで製造したものを、アメリカ政府が買い上げ、アメリカからの援助として特定の政府や武装勢力に与えるといったルートが存在する。

 

https://www.aljazeera.com/programmes/peopleandpower/2018/03/america-guns-secret-pipeline-syria-180314121047479.html

 

ロシア型の兵器は、紛争地帯の現地人にとって使いやすいからというのがひとつの理由だが、見た目がロシア型であることは、国際イメージや制裁逃れのためにも都合が良い。だからアメリカ政府は、ロシア型兵器の出所をきちんと確認しないで買い上げる。たとえ指摘されても、「調査したがわからない」とシラを切るためである。

 

「軍縮」というと、核兵器や正規軍の装備が念頭に浮かびやすいが、こうした兵器輸出の実態を国際的に告発し、規制することは、重要な「軍縮」にあたるだろう。

 

相手が武器をもっている以上、こちらにも武器が必要だー これが武装の論理である。アメリカの銃犯罪も、似た構造である。銃の保持が「権利」だと主張して銃犯罪におびえている人々は、ある意味で被害者でもある。けっきょくもうけているのは、武器産業なのである。

 

ボールがなければサッカーができないのと同様、武器を流通させないことで武力を封じ込めるという知恵を、人類的にもっと発揮できればと思う。民間兵器をふくめ、いっさいの「戦力保持」を封じることは、現代の平和の条件のひとつだ。

 

憲法九条の思想の人類的な価値は、こうしたところにもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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