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         大鏡


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あっけらかんと無理論の「学問」たち

大学にいると、人間の精神活動をあつかう人文系の学問の発表を聞く機会がある。

 

そういうとき、しばしば感じるのは、理論の不在である。

 

私の若いころ、「あれはクソ実証だね」という批評の言葉があったことを思い出す。まだあまり調べられていない部分を見つけ、その事例を調べて列挙し、結果を整理すれば論文になる、という研究態度のことである。

 

このごろは、ほかになにがある? と言わんばかりに、堂々と「クソ実証」に走る研究者が増えたように思う。

 

こうなったのは、かつて面倒な理論をふりまわした時期があり、もううんざりだということもあるのだろう。学界が学芸会化して、きちんと批判しあう雰囲気がなくなっていることもあろう。あるいは、外国(白人国家)の研究がそういう風潮だというので、真似しているのかもしれない。

 

たしかに、実証をしない研究者、実証の方法を知らない研究者では困る。だが、データを集めて整理するだけなら、ただの調査員ではないだろうか。好きなことを安易な方法でやっているだけなら、ただのオタクではないだろうか。

 

これはおそらく、人文系の学問に、めぼしい理論も、強い存在理由もなくなったことを示しているのだろう。

 

徹底した実証を裏づける、烈々たる目的意識が欲しいと思うが、現状では、ないものねだりらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の文法 トランス・グラマー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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