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         大鏡


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一国の腐敗は全世界を汚染する

政治の腐敗 corruption といえば、賄賂、横領、脱税、売買官、親族優遇、情実人事、不要な官庁づくり、水増し予算づくり、恣意的な捜査・起訴免除・判決操作、不適切な叙勲、果ては法律無視、職務怠慢、選挙干渉、反対派弾圧・暗殺といった、私利私欲のための不法な権力行使のこと。

 

こうした腐敗がどれほど政治をゆがめているかは、アフリカやイスラム圏、ラテンアメリカの例などで知られている。隠れたところで腐敗が横行している国も、相当数あるだろう。

 

そうした腐敗の悪影響は、その国だけでなく、じつは全世界に及ぶのだが、そこはあまり認識されていない。

 

そこで、事実を三つのポイントに要約した論説があった。

 

 

https://www.aljazeera.com/indepth/opinion/reasons-corruption-matters-171220083147134.html

 

 

短くまとめると、次のようなことである。

 

 

腐敗は世界にテロと流血を引き起こす   政府が腐敗していると、人々は反政府武装勢力の言い分に耳を傾けやすくなり、影で武装勢力に味方するので、流血が長引く。アフガニスタンに派遣されたアメリカ海兵隊の将軍は、「われわれの最悪の敵は、政府の腐敗だ」と述べた。テロを抑制する最良の方法は、現地に公正な政府をつくることである。テログループがある地方に根を張ると、彼らは地球上のどこでもテロ活動を行うようになる。

 

腐敗は世界に伝染病を蔓延させる   政府が腐敗していると、麻薬や売春がはびこり、医療衛生面がおろそかになる。ロシアでは30代の男女の2%がエイズに感染し、ウクライナでは小児麻痺が増え、リベリアでエボラ熱が再発している。これは政府の腐敗と関係がある。そしてウイルスや細菌に国境はない。ひとつの政府の腐敗が、世界に伝染病を広げる。テロと伝染病は、政府の腐敗の産物でもある。

 

腐敗は世界の民主主義をむしばむ    アメリカ大統領選挙がロシアマネーに汚染されたのではないかとか、秘密の金融ルートや脱税ルートを政府高官が利用しているといった腐敗は、政府への信頼のうえに成り立つ民主主義を広域的に汚染する。腐敗した政治は、外国の腐敗した力や制度を借りてでも自分を守ろうとする。ナイジェリア、ロシア、南アフリカ、マレーシア、ケニア、ウクライナなど。もしも政府の政策や官職が金で売買されるなら、言論の自由や選挙の意味はないがしろにされる。

 

 

同記事は、このように腐敗の感染経路を指摘したあと、その処方箋はあるという。

 

それは「光 light」である。金の動きがもっと明るみに出る制度をつくる。国際的な資金の動きの捜査にもっと予算を使う。何件か効果的な摘発を行って、金の動きを抑制する。これだけでも、かなりの効果があるだろうと。

 

同記事によると、現在、世界の政治的腐敗マネー、つまり政治権力が不当にまきあげて仲間に分配したり蓄積したりしている金は、年に1兆ドルを超えるという。

 

日本政府の一般会計予算は、毎年約100兆円。一ドル100円とすれば、ほぼ日本の年間予算に匹敵する金が、世界で毎年不当に奪われ、テロと伝染病を蔓延させ、民主主義への失望を広げつづけていることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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