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         大鏡


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米軍駐留と国防軍と政権党を永久化するための憲法改正草案

自民党の憲法改正草案(2012年決定)は、現行憲法を全面的に見直したもので、とくに9条の大幅な変更と、第9章「緊急事態」の追加が目立っている。

 

http://constitution.jimin.jp/faq/

 

ここでは、この改正案が「どこから」出てきたかという角度から見てみたい。

 

個人や組織は、自分が現在、何を所有しているか、過去に何を所有したか、これから何を所有すべきか、あるいは何を所有すべきでないか。こうした考えによって、行動が規定される。

 

財産や収入のような物質的経済的なものだけでなく、個人や組織は地位や名誉のような社会的な価値や、将来への見込みとか知識・記憶といった観念も「所有」しており、現実の行動は、それを守ったり増大させるためにおこなわれる。必要であるのに自分に欠けている(無所有)という観念を「所有」すれば、無所有を所有に変えようとして行動する。あるものを所有していてはいけないという思いを「所有」した場合は、それなりの行動に出る。

 

「所有が行動を規定する」

 

これは、人間社会を理解するときの基本原理である。

 

自民党の憲法改正草案を一読して思うことは、これは自衛隊と米軍駐留を、善いもの、当然のものとして「所有」している者の発想だということである。

 

草案は、九条から戦力不保持と交戦権否認を削除し、かわりに「国防軍の機密に関する罪」を犯罪として堂々と憲法に規定して(草案9条二の5)、そういう憲法を尊重する義務を国民に課す(草案102条)という。

 

こうした構想は、自民党が「所有」しているものが現行の自衛隊と米軍と政権であり、まだ「所有」していないものが国防軍(戦力)と戦争遂行のための交戦権であり、これから「所有」したいものが、そうした戦争の体制が永久化される保障であることを示している。

 

憲法は、国家が何を所有しているかを述べるものではなく、国民は何を所有すべきで、何を所有すべきでないかを規定するものである。

 

将来、憲法改正の国民投票があるとすれば、そこが焦点になるということだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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