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         大鏡


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跳び箱は、踏切板なしで跳べるだろうか

トランス・ヒストリーと名づけて私が追求しているのは、歴史認識のためのしっかりした規範である。

 

たとえば幕末の史実は、学校の教科書のような描写でも、漠然とながら理解できる。だが、得られるものは少ないので、「歴史は暗記物」となる。

 

歴史小説は教科書より面白いが、人間の苦悩や矛盾に焦点を当てることが多く、社会の仕組みは必要に応じて描かれる。

 

 

突然だが、ここで跳び箱を跳ぶところをイメージしてみる。

 

跳び箱には、踏切板がつきものだ。ポンと踏む、あの木製ボードなしで、はたして跳び箱は跳べるだろうか。

 

 

 

エバニュー 体育館用品 踏切板 ロイター板 踏切板距離調節器 ロイター板 ER-60J EVERNEW EKF401

 

 

たぶん、そうとうむずかしいだろう。

 

だが、われわれは跳び箱のほうに目が行き、踏切板の不可欠性を忘れやすい。(調べてみると、学校でよく使うタイプのものは、開発者の名をとって「ロイター板」といい、購入には数万円するようだ)

 

歴史理論つまり補助概念なしで史実を理解しようとするのは、良い踏切板なしで高い跳び箱を跳ぼうとするようなものである。

 

じっさい、人は無意識のうちになんらかの踏切板(規範)を使って、認識の跳び箱を跳んでいる。歴史小説を読むとき、人は多くの知識(たとえば「将軍」について知っていること)を心内で参照しながら、筋を理解していく。この知識が深ければ、そのぶん、すぐれた歴史理解が可能になる。

 

歴史理論は、大型で力強い踏切板である。

 

それがあると、高い跳び箱が軽々と飛べる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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