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         大鏡


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投射は三種類ある 同類・異類・分離

トランスの出発点である投射には、主体と客体の関係に三つの種類がある。

 

主体と客体が同類の場合   主体は、客体が同類であり、かつみずからとは異なる種とみなして投射する。男と女。

 

主体と客体が異類の場合   この場合でも、主体は客体をみずからと同類のものとみなして投射する。車と人間の衝突。

 

主体が客体から分離する場合  「自己分裂」(三浦つとむ)による自己対象化という投射である。鏡と私。鏡は私の持ち物だが、鏡は私を映す力(→認識力)をもつ。すなわち鏡は投射の主体である。

 

 

注意すべきは、の分離タイプであろう。このタイプでは、客体(自分)自身が直接の主体ではなく、自分から分離したもの(これを「自己」と呼ぼう)が、投射の直接の主体である。

 

たとえば、人間がおこなう観念のトランスにおいては、自分から分裂した自己が主体となり、自分に投射するからこそ、自分の心が認識できる。

 

人間の観念の世界は、もっぱらこの分離タイプの自己言及的な投射によって成立する。

 

だが、投射の主体たる自己はもともと客体たる自分から分離したものであるため、客体からみると、自分こそ主体だという意識を離れるのがむずかしい。子は自分の所有物だという意識を、親はなかなか捨てられない。

 

 

✳ 分離タイプの自己言及的な観念上の投射は、空虚な業(ごう。理性によって制御できない心の働き)だと強調したのが、仏教の「空」の思想である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の哲学 世界はトランスする | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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