ごきげんようチャンネル


あきらけき かがみにあへば すぎにしも いまゆくすゑの こともみえけり

         大鏡


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空になる 認識の消失点に永遠がある

西行の作に、こういうのがある。

 

 

空(そら)になる心は春の霞(かすみ)にて 世にあらじとも 思ひたつかな

 

 

「空になる心」の一言で、われわれの心は空いっぱいに広がる。そして空になった心は、ただちに「春の霞」という具体性が与えられる。

 

後半では一転して、「世にあらじ」という歌い手の心境が吐露される。その思いは、やがて春の霞のように空に溶け込む。

 

 

三好達治の作に、

 

 

春の岬 旅のをはりの鴎(かもめ)どり 浮きつつ遠くなりにけるかも 

 

 

とある。「春の岬」という広がりのなかを、彼方へと「浮きつつ遠く」なる鴎。その姿とともに、旅を終えたわれわれの心は水平線へと消えていく。これで本当に旅は終わったのだ。

 

 

 

「春の霞」や「春の岬」で広がったわれわれの心は、空と海に消えてしまうことで永遠へとつれていかれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の文法 トランス・グラマー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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