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あきらけき かがみにあへば すぎにしも いまゆくすゑの こともみえけり

         大鏡


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「ご同行(どうぎょう)」の思想

真宗の信者のことを同行(どうぎょう)ということがある。お遍路さんの笠には、同行二人(どうぎょうににん)と書いてある。弘法大師と二人で巡礼しているという意味である。

 

この「同行」という発想は、人類史上、画期的なものだったし、今後も輝きつづける歴史の遺産である。

 

般若経系仏教の発想は、われわれは過去世ですでに如来(覚者)の候補生である菩薩になっており、何度も生まれ変わりながら如来になるための厳しい修行を積むのが仏道だ、ということだった。

 

菩薩であることが自覚できれば、立派だ。如来になれば、もっと立派だ。だが、それは至難のこと。これでは、菩薩にも如来にもなれない凡人は仏道から除外されてしまう。

 

そこで、鎌倉期あたりから、日本列島に新発想が登場した。

 

菩薩になるのは、あの世に行ってからでよい。この世のわれわれは、将来菩薩になり、如来になりたいと願いつつ、いまは「みなさんご同行」、つまり菩薩候補生という平等の立場なのだ、という考え方である。

 

あの世に引率されて菩薩になる手続きは、阿弥陀様がすでにやってくださったので、われわれが心配することはない。

 

絶対慈悲の存在を設定することで、菩薩になるタイミングを一段ずらし、肩の力を抜いた発想である。

 

平等の「ご同行」という考え方から、人間の権利上の平等(人権)という思想も導ける。人間どうしがいたずらに敵対する発想も回避できる。社会運営の基本方針もでてくる。

 

「ご同行」は、人類が長い年月をかけて到達した、すごい思想なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の哲学 世界はトランスする | 06:15 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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