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         大鏡


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現実社会は、優れた概念によって科学的に本質がつかめる

社会科学は、なぜ自然科学と同列に「科学」を名乗れるか。

 

それは、社会についても、個別性と普遍性を含み込んだ、優れた概念(本質的概念)を開発することによって、一般理論をうちたてることが可能だからである。

 

おそらく世界で唯一、そういう意味での科学的な国家論をつくりあげた滝村隆一が、この点について次のように説明している。

 

 

 

「社会科学的解明において政治的事象や経済的事象を<社会的事象>として把える場合、それは人間社会の基本的構成に関わる諸事象を...その直接的姿態としてではなく、あくまで一般的な論理的性格においてとりあげている。...

 

社会科学の学的対象である一般的な社会的事象が、もっぱら多様な具体性をもった個別歴史的事象としてのみ現象するということは、... あたかも個別歴史的事象の背後を根底から貫くが如き、社会的事象としての一般的性格として厳存していることを意味しているのである。...

 

社会科学的解明の方法的特質は、...具体的な歴史的事象を、いわば当然また必須の前提的与件として正面に据え、かかる現象的諸形態にまつわる個別性や特殊性を捨象し、その背後の一般的性格、正確には直接眼には視えないその内的構造的関連を論理的に追求することによって、本質論を一般的理論ないし法則として構成し定立することにある。

 

従って、社会科学...は、...自然科学と同様、<科学>としての一般的性格、つまり共通の方法的性格を孕んでいるのである。」(滝村隆一『国家の本質と起源』勁草書房、1981年、17, 19頁)

 

 

 

この意味での<社会科学>は、豊富な事例と高度な論理に裏打ちされた概念群を創造し、それらを体系づけることによって可能になる。

 

そうした優れた概念の例として、滝村隆一は、生産、交通、所有、生産力、生産関係、階級などの唯物史観の基礎概念や、商品、貨幣、資本、利潤、利子、地代など経済学上の概念をあげている。同上書、17頁。

 

ウィンデルバント(1848‐1915)は、自然科学を<法則定立的規則学>、歴史や文化についての学問を<個性記述的事件学>と呼んで区別した。じつは、規則と事件を総合する概念を創造すること。それが科学なのだ。

 

そう、またしても概念! 概念こそキーワードなのだ。

 

もちろん、浅薄な概念ならいくらでもつくれる。

 

その概念が具体的事象を深く洞察しており、また概念どうしが緊密に関連しあって全体を構成し作動するとき、それは社会の秘密に迫る概念群であり、科学の名に値する。

 

 

 

✴この意味で、トランス・グラマーは、英語の観念(物質でも人間でもない、心のあり方とその表現の編成原理)の科学である。

 

トランス・グラマー暫定公開サイト https://note.mu/ymiura/m/m692d6f6108f1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 10:48 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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