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   『山家集』1118

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ミクロの世界は概念の世界 ハイゼンベルクの着想

量子力学の基礎を築いた物理学者・ハイゼンベルク(1901-1976)。

 

ミクロの世界での物質のふるまいが、力学の法則に反しているようにみえることに彼は悩んでいた。

 

そこで思い出したのが、少年のころの記憶。

 

 

「プラトンは、正四面体とか正八面体のような、四つの正多面体が物質の最小単位だと考えた。プラトンほどの人が、どうしてそんなことを本気で考えたのだろう」

 

 

そう友人と話しあったことを思い出したハイゼンベルクは、次のように着想した。

 

 

「プラトンが言いたかったのは、形そのもののことではなく、ミクロの世界で物質は、質感のあるものというより、数学的対象のようなものになる、ということだったのではないか」

 

 

運動するミクロの物質は、人間の日常感覚から想像できる物質とはかけはなれた存在。つまり確率的な波動という数学的対象なのだ。

 

これが、量子力学の発想が生まれた瞬間であった(小島寛之『算数の発想』NHK出版、2006年、21-22頁)。

 

 

この発想によってハイゼンベルクは、<現象の奥の奥>にある概念の世界への扉を開いた。

 

学問(真)、宗教(善)、芸術(美)は、高度な概念という<現象の奥の奥>へと入っていく三つの門である。

 

人文社会系の学問は、目に見える形態とか機能つまり現象を、概念をつかって整理しただけのものが多い。

 

形態とか機能は、<現象の奥>ではあっても<現象の奥の奥>ではない。

 

学問の本質的な研究対象は、数学的対象のように、目に見えない概念であり、すぐれた概念はそれじたいで自立した体系をなす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の文法 トランス・グラマー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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