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         大鏡


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言語世界では主体が自己を否定して自己展開する

ヘーゲルの思想は、言語の仕組みを言い換えたものだ。

 

 

 

「ヘーゲルのいう主体は、... 自己を否定してみずから他者となるとともに、その他者のなかで自己を回復する運動として、自己同一性を保持するもの、すなわち、自己否定的に自己を展開する主体にほかならない」(『ヘーゲル用語事典』平凡社、1991年、122頁。執筆・岩佐茂)

 

 

 

これは、文のことである。

 

言語の名詞(私のいう体ーたいー)は、話し手が対象を実体としてとらえ、文の主体にすえることができる概念である。文の主体にすえられた概念は話し手から独立し、「自己否定的に自己を展開する主体」になる。その展開の軌跡が文である。

 

たとえば  "I love you." は、”I” が " love" へと自己展開し、"you"  という「他者となる」ことで、「自己否定的に自己を展開」したものである。

 

ヘーゲルは、ドイツ語思考した。だから、世界は「自己否定的に自己を展開する」のだと考えた。

 

それゆえ、彼の思想は観念論になった。

 

 

 

 

後記:長谷川宏『ヘーゲルを読む』(河出書房新社、1995年)に、ヘーゲルとことばについて語った文がある。



「日本のヘーゲル学者は『揚棄』とか『思弁的』とか『即自』とか、ヘーゲルの言葉に日常語とはかけ離れた特別の訳語をあてるが、ヘーゲルの言語意識にこれほどそぐわぬやりかたはない。ハイデガーなどと違って、日常語とは別次元の語を創成する気はヘーゲルにはまったくなかった。

ヘーゲルのことばとの悪戦苦闘ぶりはすさまじいものがあるが、ヘーゲルはその悪戦苦闘をことばとの悪戦苦闘ではなく、自然や人間や社会や歴史との悪戦苦闘だと考えていた。」(228−230頁より要約)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の文法 トランス・グラマー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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