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あきらけき かがみにあへば すぎにしも いまゆくすゑの こともみえけり

         大鏡


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概念は、くすぐりパワーで流布する

柳父章『翻訳語成立事情』は、英語の right や society が、近代日本で「権利」「社会」という耳慣れない漢字語に翻訳され、この新語が流布した心理を分析している。

それによると、「権利」「社会」は、当時の人には意味(中身)がよくわからなかった。そして、わからないがゆえに深遠な感じがして、人々に受け入れられたのだという。

これを柳父氏は「カセット効果」と呼んでいる。カセット cassette とは、テープではなくて「小さな宝石箱」の意。

外見が新奇で、中身が見えない。だからこそいいものが入っていると思える。

 

この「わからなさ」のゆえに、近代の新語を日本人はすすんで受け入れたのだ、と。(柳父章『翻訳語成立事情』岩波新書、1982年、36、83、86、116、189頁)

 

なるほど、聞き慣れない語のほうが珍重されるということがある。

 

食べ物やフアッションには、そういう例がいくつもありそうだ。

 

学問の世界でも、聞き慣れない概念が受け入れられるプロセスがある。

 

新語が流布して定着するには、時代にあった、人の好奇心をくすぐる語がいいわけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の哲学 世界はトランスする | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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