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ポルカ、コロ、チャールダーシュ 組織体と表現体の照応関係

東欧の文化は、ダンスのタイプによって二つに分類できるという。

ひとつは、「ポルカを踊る文化圏」。

ポルカは一組ずつの男女がカップルになって陽気に踊る。これが支配的なのが、チェコ、ポーランド、オーストリア、スロベニア、南ドイツ。そこでは、社会の基本単位は夫婦。かつてオーストリア帝国の支配下にあった地域で、宗教はカトリックが強い。

もうひとつが「コロを踊る文化圏」。

コロは男女が輪になって集団で踊る。これはセルビア、クロアチア、ブルガリア、マケドニア、ルーマニア、ギリシアにみられる。そこでは、夫婦よりも大きい家族、親族、共同体が社会の基本単位になる傾向がある。ここはかつてオスマン・トルコの支配を受けた地域で、ギリシャ正教が強い。

そして、ふたつの文化には中間が存在する。それがハンガリーとスロヴァキアで、オーストラリアとトルコの両方に支配されたことがあり、踊りはチャールダーシュといって、踊り方は男女一対だったり集団だったりする。まさに中間的なのだ。

(以上、石川晃弘『東ヨーロッパ 人と文化と社会』有斐閣、1992年、16ー31頁)

 


これで思い出すのが、日本の「踊り」と「舞い」の違いである。

「踊り」は集団でおこなうのが基本で、庶民的。動きは上下動が中心。

「舞い」は横方向への回転が中心で、一人で行うのが基本。こちらのほうが上流階級的とされる。

この角度からいうと、日本では地域というより階層によってダンスのあり方がちがう。コロのように男女の集団が身体を触れ合うことはあまりないし、ポルカのように男女一対で踊る文化も発達しなかった。

このあたりから、日本文化の特徴が見えてくるようだ。

 

 


宗教や家族のような組織体や階層が、ダンスという身体表現に反映している。逆に、ダンスをみれば、その社会の宗教や家族や階層のあり方がわかることもあるだろう。

 

たとえば家屋の構造にも、宗教や家族や階層が反映していることだろう。

 

こうした社会横断的なものの見方も、トランス・ヒストリーにふくまれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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