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春ごとの花に心をなぐさめて 六十(むそぢ)あまりの年を経にける


西行

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学問は日常的意味を超えた概念の世界の構築

数学の「無限」という概念。これは人間にはわかりにくく、数学者のあいだでさえ、正当な概念かどうか、長いあいだ論争があったという。

 

数学では、次のような表現がある。

 

1=0.999…

 

この右辺は、無限に9 がつづく。この無限と " 1 "という整数がイコールだといわれても、日常的な感覚では納得しにくいところがある。

 

だが、これは簡単な証明が可能で、まず

 

1/3=0.333…

 

が納得できるとすれば、両辺に3をかけると

 

1=0.999…

 

となる。

 

この証明のミソは、ひとつのものを三人で平等に分配する場合のように、1/3=0.333… という日常的にありうる体験に訴えてから、両辺に3をかけるという数学的操作を加えていることにある。

 

われわれは日常、いろいろな表現が伝える意味の世界に生きている。 1=0.999… は概念の世界では正しくても、この表現のままでは意味として納得しにくい。1/3=0.333… という、日常的な意味に近い例なら、少しわかりやすく感じる。

 

学問をするとということは、日常的な意味の世界をこえて、概念の世界に引き入れられるということである。

 

医学でも数学でも物理でも工学でも、勉強がすすむと、もはや日常的な言葉では説明されない。

 

人文・社会系の学問では、日常的な言葉もよく使われるが、構築しようとしているのは概念の世界である。

 

とはいえ、ふだんは学者も意味の世界(日常世界)に生きているから、彼らは外界の意味の世界と、研究室の概念の世界をたえず往復している。

 

有名な学説とは、深い意味と高い概念をたくみに(セクシーに)結びつけたもので、相対性理論はその代表例である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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