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         大鏡


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歴史は 3 x 3 のトランス

史的唯物論でいう<土台・意識諸形態・上部構造>は、社会で生活している人間どうしの関係(本質)が、<物質・意識・行動>となって現れたものである(現象)。

 

史的唯物論が失墜したひとつの原因は、<物質・意識・行動>のあいだの関係を正確に説明できなかったからである。

 

<物質・意識・行動>という三者の関係を、トランスの原理にしたがって整序すると、どうなるか(トランスとは、規範にしたがって主体が客体に働きかけ、転体を生み、転体は主体にフィードバックするという、主体・客体・転体がつくる▽型の循環関係。マルクス『資本論』価値形態論参照)。

 

ここでは、<物質・意識・行動>の三者が、それぞれ三種類の関係をもつ、すなわち全体で 3 x 3 =9個 のマトリックスをつくると考えてみる。

 

 

まずは物質がつくる三種類のトランス。以下、トランスの出発点は▽の下部の頂点であり、→ は、関連する人々の意識諸形態の合力を表す。

 

 

    

行動  ←  意識    

  ↘        ↗

    物質

 

 

意識  ←   行動    

  ↘        ↗

    物質

 

 

行動  ←  物質    

  ↘        ↗

   物質

 

 

 

上記の三つめのトランスは、会社どうしの取引や、国家どうしの貿易・戦争によって、ある土台が他の土台に影響を与えるケースを表している。

 

 

 

次に、意識がつくる三種類のトランス。

 

 

 

行動  ←  物質    

  ↘        ↗

   意識

 

 

物質  ←  行動    

  ↘        ↗

   意識

 

 

行動  ←  意識    

  ↘        ↗

   意識

 

 

 

上記の三つめのトランスは、社会内での意識の伝達や、他の社会からの文物の流入や翻訳によって、ある社会の意識が他の社会の意識に影響を与えるケースを表している。

 

 

 

最後に、行動がつくる三種類のトランス。

 

 

 

意識  ←  物質    

  ↘        ↗

   行動

 

 

物質  ←  意識    

  ↘        ↗

   行動

 

 

物質  ←  行動    

  ↘        ↗

   行動

 

 

 

上記の三つめのトランスは、社会の内外の組織(政府、軍隊、会社、集団など)が、他の組織に影響を与えるケースを表している。

 

 

 

 

 

以上の9つのトランスの中心で作動している規範は、主体と客体と転体がもつ規範である。主体は自身の規範によって投射し、客体はみずからの規範にてらし、受け入れられる範囲で主体からの投射を受ける。

 

投射を受けた客体は主体に転じ、転体(▽の左上)を客体として投射する。

 

つまりトランス・ヒストリーの▽は、客体を通して主体と転体が結合する媒介的統一であり、客体が主体に転化していくことで結合する過程的統一である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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