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春ごとの花に心をなぐさめて 六十(むそぢ)あまりの年を経にける


西行

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吉田松蔭とイエス 鎮魂を必要とした若者の激情

松蔭の一生を考えると、この痩せた下級武士の生涯が、イエスの生涯に似ていることに気づく。

 

二人とも辺境の出身で、旅が多かった。攘夷とか神の国とか、実現不可能な理想に全身を燃やす純粋さも共通する。イエスは旧約聖書の知識が豊かで、意味深い言葉を語った。松蔭は、明晰な漢詩漢文を多く残している。  

 

二人とも、身分などで差別せず弟子を受け入れ、それぞれの個性を認めた。周囲にはおだやかに接したが、自身は直情的で、行動的であった。伝道期間はどちらも数年にすぎなかった。活動が短期間となった最大の原因は、権威にさからう危険を、みずから大胆に侵したからである。晩年には弟子たちからも見放されている。

 

そして二人とも投獄され、処刑された。どちらも30代であった。

 

二人の生涯には、血のにおい、すなわち理想のために肉体を犠牲にする激しさがある。

 

とくに重要な共通点は、自身の主張によって、権威者に処刑されたことであろう。これによって、もともと財産も権力もない市井の人にすぎなかった二人が、反権威的なカリスマとしての地位を確立した。

 

歴史に名を残す人とは、世界の変革に強い志を抱き、行動した人である。彼らは既存の組織によりかからず、むしろ権威によって肉体を抹殺されることで精神を残し、永遠の象徴性を獲得したのであった。

 

二人の激しい生涯は、強い光となって弟子たちの生き方を照らし、処刑後、弟子たちは大活躍した。イエスは、多くの教会にまつられた。明治になって、松陰をまつる神社が萩と東京にできた。

 

こうした教会と神社には、二人の若者の激情を慰撫するという意味もあったにちがいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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