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みにつもる ことばのつみも あらはれて こころすみぬる 三重(みかさね)のたき

   『山家集』1118

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なぜ言語論に『資本論』が必要なのか

次のような文をみると、三浦つとむ(1911-1989)の言語論の背景に、マルクスの『資本論』があったことは明らかである。

 

 

「商品の価値は、人間労働力一般の支出の・すなわち抽象的労働の・対象化において成立する。同じように、言語の内容も、対象の一般化あるいは普遍性の認識の・すなわち抽象的な概念の・対象化において成立する。」(三浦つとむ『言語過程説の展開』勁草書房、1983年、404頁)

 

 

ふつうなら、言語を研究するために『資本論』を参照するという発想は出てこない。だが、私は三浦つとむと同じく、『資本論』のなかに言語研究に必要な核心的ロジックがあると感じた。

 

幸い、言語論にもっとも関係が深いマルクスの価値形態論について、日本には分厚い研究史があるし、最近も新しい成果がでていた。

 

そういうものを手がかりにしながら、私は『資本論』のロジックを言語論に活かそうとした。そして、商品の生産と価値のロジックが、言語の表現と概念のロジックとパラレル(平行的)であることを発見した。

 

<社会的普遍的認識→概念>にもとづく個人的特殊認識→表現態は、<抽象的人間的労働→価値>をともなう具体的有用労働→商品とパラレルなのだ。

 

商品の価値は、他の商品との等置という社会的形態(価値形態)によって表現される。同様に、言語の概念は、表現態と他者による認識との等置という社会的形態(概念形態)によって伝達される。

 

価値が社会的形態をとり、人間による商品交換を通して発展していくことを述べたのが、マルクスの価値形態論である。同様に、概念が社会的形態をとり、人間による認識伝達を通して自律的に発展することは、概念形態論として展開できる。

 

だが、マルクスの価値形態論は誤読にまみれてきたし、三浦つとむの言語論はもはや忘れられようとしている。おそらく私の言語論(具体的には英語の概念体系を洞察したトランス・グラマー)も、なかなか理解されないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の文法 トランス・グラマー | 00:00 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
ソシュールの言語論も「資本論」から作られているのは、はっきりしています。
「資本論」の記述の<方法>は見事に普遍的で、あらゆる学問に適用可能なことに驚きます。

| 月曜の朝 | 2018/11/26 8:12 AM |









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