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稽古とはクセをとること 舞妓さんのトレーニングに学べ

『AERA』誌に、「祇園の人間力」という小さい記事があった(2017年9月11日号、54頁)。

 

祇園の舞妓さんに必要なのは、お座敷の雰囲気を見極める感覚と、その子ならではのキャラクターだという。つまりは個性だが、個性を磨くには、どうすればいいのか。

 

 

 

「入門すると、とにかく毎日お稽古です。稽古のときには型を叩き込まれますが、型が身につくと、自然にその人らしさがあらわれてくる。個性は無理につくるものではないんです。」

 

 

 

 

現地を取材した記者は、

 

 

 

 

最初についているのは個性ではなく、癖とみなされ、それを取るのが稽古でもあるのだ

 

 

 

 

とコメントしている。

 

おそらく、場の雰囲気を見極める能力も、型を身につけ、舞妓としての自信がつくなかで養われるのだろう。

 

 

 

...

 

 

 

 

社会的に認知された概念(規範)にしっかりと準拠した認識を養い、その認識にもとづいてきちんと活動しようとすると、そこに個性が現れる。

 

クラシック音楽の演奏、体操競技、外国語...  伝統ある活動は、普遍的であろうとすればするほど個性的になるという原理によって規律されている。

 

伝統を打ち破るものも、伝統の習得から出た個性である。正統の探求こそ、最高の個性と変革への道である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | スタバスタイルの塾を作りたい | 00:00 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
そうでしたか。嘉納治五郎が生涯、試合方式による型の崩れに気づかなかったというのは、実に示唆的です。英語のような技術でも、同じことが起こっているように思います。これはよくよく考えてみなければ...
| みうら | 2017/10/14 9:21 AM |
加納治五郎は甲冑で戦うための技である柔術を体得していました。

柔術は一撃必殺で畳の上で稽古などありませんでしたから、型稽古がほとんどで試合はしませんでした。ただ「形の残り合い」という型と乱取りの中間の稽古がありました。

技をかけ合うなかで、相手の技が甘いとかけ返す、返り討ち稽古です。

命がけの柔術をケガのないように畳を導入し、護身術の柔術にしたのは加納治五郎です。ここから試合というのが中心になります。

試合は勝ち負けにこだわらせるため、なにがなんでも勝とうと無理な姿勢も平気で相手を投げようとします。この試合での型の崩れに生涯、加納治五郎は気づきませんでした。

試合中心に育ってしまった講道館柔道は、東京オリンピックで巨体に負けたのではなく、ヘーシンクの技に完敗したのです。



| 職人 | 2017/10/13 9:13 PM |
なるほど!私にも身に覚えがあります。ちょっと慣れてくると力に頼ろうとする… 嘉納治五郎の話は、知りませんでした。ご教示、ありがとうございました。
| みうら | 2017/10/13 8:40 PM |
型で一番の難問が、上達した後の「型の崩れ」です。

使えば必ず身に付いた型は崩れます。

崩れは自分も他人も気づきにくいため、その修復のためには日々の型通りの稽古が必須なのです。

柔道の加納治五郎が講道館を開いて10年もたたないうちに、弟子の柔道の「型の崩れ」に驚愕した記録が残っています。

型が崩れると、技でなく強力に頼り勝つことになります。加納治五郎は弟子の試合で、それを目の当たりにしたのです。
| 職人 | 2017/10/13 9:48 AM |
私も、ダンスの指導者から同じような話を聞いたことがあります。多少不器用で、自分の弱点を克服しようと素直に努力する人が、器用な人よりもけっきょく上達するそうですね。
| みうら | 2017/10/13 8:46 AM |
クセを取るというのは、その人がそれまで生きてきた日常生活からの離脱です。

だから新しいことの、のみ込みが早い器用な人ほど、先に言って不器用な人に抜かれてしまいます。

それほどクセは他人の目でしか見えないからで、他人の話を額面通り聞くためには、先読みする器用な頭脳はとても邪魔なのです。
| 職人 | 2017/10/13 8:22 AM |









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