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 魚、水を行くに、行けども際なし  道元『正法眼蔵』



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概念とは、それに無限に接近する認識の過程である

むかし、

 

 

1=0.999....

 

 

という話を数学の解説書で読んで、腑に落ちない感じが残った。

 

たしかに 0.999... は1にどんどん近づくだろうが、1とイコールだと断定されると、「ほんとか?」と感じたのだ。

 

 

 

そこで、知り合いの物理学者に聞いてみた。すると、両辺を0.999... で割って、

 

 

1÷0.999...=1

 

 

 

と考えたらどうかとアドバイスされた。

 

 

これなら左辺はたしかに1に限りなく近づくから、けっきょく1と同じに扱って良い、と言われれば、少し納得しやすくなる。

 

 

これらの等式は、考えてみればすごいことを言っているのかもしれない。すべての数字は、それに無限に接近する過程を含んでいる。つまり、無限の接近は、それそのものに等しい。あるものに無限に接近することが、そのものを成就するということである。数とは、それに無限に接近する過程そのものだという思想が、ここから読み取れるのではないか。

 

数学の世界では、数字とは、それへの無限の接近のことであると確認されているのだとすれば、概念とは、無限に接近する認識のプロセスだとみなせることになるのではないか。

 

人間は、私的な認識と公的な概念のあいだを、絶えず行き来している。絶えず行き来しながら、個々人は認識を深め、社会が共有する概念を発達させている。してみれば、概念とは、客観的にそこに「ある 1」ように見えるが、主体的には、そこに「無限に近づく 0.999... 」認識のプロセスのことなのだと考えてみたらどうだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の文法 トランス・グラマー | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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