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言語は実物の影ではなく、心の影である その2

<自然を動かしているものは、目に見えない。そういえば、ゆらめく物影は、見えては消えていく。影は、見えないはずの神が一瞬、姿を現したものではないか。>

 

このように、神(かげ)こそが実体で、この世(かたち)は神の意向にもとづく現象であるという観念は、宗教の原型である。

 

ところで、日本語で「かげ」というとき、陰った部分のかたちというだけでなく、ものの気配や一瞬の姿だったり(人影)、心に浮かんだ像のことだったりもする(面影)。

つまり、日本語の「かげ」は、「陰り shadow」だけでなく、「像 image」の意味をふくんでいる。

像としての「かげ」は、見えるもののかたちが変形したり、見えないものが仮のかたちをとったものである。だから、もとのものと違うかたちであってもよい。「かげ」は、もとのものの代理でありながら、もとのもののかたちから自由である。

言語は、この「かげ」の原理の産物である。

 

 

 

 

 

 

 

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 


 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の文法 トランス・グラマー | 17:44 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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