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「it は答えである」 英語の達人・松本道弘氏の眼力

日本が生んだ英語の達人・松本道弘(1940 -  )。

 

日本語と英語をつなぐココロを探求しつづけ、100冊以上の著書と啓蒙活動、ジャーナリスト活動を通じて、英語に関心をもつ人々に大きな影響を与えてきた。

 

その松本氏が、70歳を越えて快著を完成させた。

 

 

 

『難訳・和英口語辞典』(さくら舎、2017年4月)

 

 

 

はじめから読んでいくと、氏の到達点がとてつもない深みと広さをもっていることが感じられる。

 

はじめのほうにある、深い指摘。

 

赤ちゃんが生まれたとき、男の子なら、”It’s a boy.”   なぜ he ではなく、it なのか。高校生のころ、文法書をみても理解できず、氏は頭をひねったものだという。

 

こうした疑問が晴れてきたのは、「60歳を越えてから」であった。

 

 

 

「見えないものは it、見たいものも it 。itは、求めるべき解答なのだ。」7頁

 

 

 

赤ちゃんが男の子か女の子か。答えは男の子だった。それが答えだから、it 。

 

 

...

 

 

氏にそう言われただけで、われわれが英語について抱く疑問がいくつも氷解していく。

 

たとえば、"It is clear that... " のような it は「形式主語」で、とくに意味はないといった説明が流布しているが、「とくに意味はない」ことを、人間は口にするだろうか。これは説明に困った末のごまかしなのだ。

 

じつは話し手にとって、求めた末の「答え」だから、it なのだ。その内容は、that 以下で聞き手に説明する手はずになっている。この形が慣用化したのだ。「答えは clear。なにが clearかというと...」というのが、この英文のココロである。

 

"What's this? "  という問いに対する答えに、”This is a pen.” はどことなくぎこちなく、"It's a pen." のほうが自然に聞こえるのはなぜか。"What's this? " という問いにたいして、自分が探しだした「答え」なのだから、"it" なのだ。 「私の答えは、 a pen だ」ということ。

 

マイケル・ジャクソンが最後に企画していた世界ツアーのタイトル。そのココロも、it にこめられていた。

 

”This is IT. ”  「これこそ、求めていた答えだ」

 

 

 

...

 

 

 

英語をここまで深く理解した日本人がいて、日本語で説明してくれている。普通の人にはとうてい到達できない深みだ。

 

われわれは、浅薄な学校英文法にしがみつくのはやめて、英語のココロの探求に生涯をかけた松本氏の成果を、積極的にひきついでいきたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 日本に英語はない | 20:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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