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「土台」とは、生産と育成による物質的富の蓄積と、その生産・交通・消費の様式である

社会の「土台」とは、具体的にはなにか。

 

土台とは、社会が蓄積した物質的富およびその生産・交通・消費の様式のことである。物質的富を生産・交通・消費する、当該社会に生活する人類の能力を、労働力と呼ぶ。

 

人が生産・交通・消費する物質的富には、工作物や貨幣や家畜のような「物象」(人間の労働力が加わっているため、社会的に交換価値をもつとみなされる物質・生物全般)と、人類という観念的物質の二種がある。

 

物象づくりを「生産 production」と呼ぶ。観念的物質たる人類づくりも生産の一種であるが、これはとくに「育成 education」と呼ぶのが良いだろう。

 

この「育成」には、家庭での養育や学校での学習のような他者育成(教育)だけでなく、自分の身体=社会の物質的富を維持・成長させるために役立つ食事・スポーツ・娯楽・交際などの自己育成が含まれる。接待や事務のようなサービス労働は人類づくりの一種であるから、「育成」に入ることになろう。

 

物象の生産と人類の育成は、互いに高めあう関係にある。物象づくりのなかで人類は規律を学んで育成されるし、人類が自分をよりよく育成することによって、物象の生産はより高度になる。

 

物質的富(物象・人類)の生産・育成におとらず重要なのは、物象・人類の交通(場所の移動)や消費の、社会的な様式である。生産・交通・消費は、互いに規定し規定される関係にあるからである。

 

世界史に現れた代表的な「土台」の様式には、奴隷制・農奴制・資本制といったものがある。

 

物質的富の生産・育成は、別の面からみれば社会的行為の体系(上部構造)をなしており、それは個々の人による思考とその表現(意識諸形態)による協働なしでは行えない。

 

社会や個人を、すべて「土台」という物質的富の角度からみることも可能である。同様に、社会や個人を、すべて上部構造に組み込まれ、意志を生産・交通・消費している存在としてみることも可能である。そして、社会や個人を、もっぱら意識諸形態を媒介として、意味を生産・交通・消費する存在としてみることも可能である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 史的唯物論から史的連関論へ | 06:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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