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物質的・社会的・観念的 ひとつのものを三重に見る訓練 その2

ひとりの人を例にとってみよう。

 

この人は、物質的にみれば一個の人体であり、栄養をとったり運動したりして、自分を維持・成長させ、いずれ個体として終わりをむかえる。他の人体を産み出すこと(生殖)もある。物質としての人の成長には、他人との交わりや知識も必要である。

 

この人は、社会的にみれば一人の人間であり、特定の環境、身分、集団のなかで育ち、なにかの集団のリーダーになったりフォロワーになったりして、社会的な役割を果たしていく。そのためには物質的に活動でき、観念的にものを理解し表現できる必要がある。

 

この人は、観念的にみれば独自の観念を抱き、それを成長させている存在であり、自分の観念を対象にして話し、聞き、歌い、描く存在である。そのためには、この人は物質的に活動でき、社会的な役割をもつ必要がある。

 

こうして、ひとりの人は物質的・社会的・観念的という三つの側面を統合した存在である。われわれは、こうした三つの側面の統合として人を理解したとき、この人(自分を含む)をどうすればいいかが見えてくる。

 

このときのコツは、まずは三つの側面を峻別することである。

 

たとえば、観念的側面とは、自分自身の内面との関係である。他人との関係である社会的側面と混同してはならない。言語を例にとると、言語は他人との関係づくりに不可欠ではあるが、第一義的には人の自分自身との関係、すなわち観念的側面である。

 

話し相手に語りかけているあなたは、直接には自分自身の観念を対象にして話している。あなたの話し相手も、直接には自分自身の観念を対象にして、あなたに話しているのである。

 

このことがクリアにわかると、他人は自分ではないこと、他人と協同するには他人を尊重する必要があることも、クリアにわかってくる。

 

 

 

 

 

 

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | よみがえる史的唯物論 | 07:01 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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