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<< ゴシック建築と英語の構造  その1 | main | 久しぶりにつぶやき再開です  2017年3月2日 >>
ゴシック建築と英語の構造  おわり
唐澤一友『英語のルーツ』(春風社、2011年)は、英語の前置詞と格変化の消失の関係について、次のように述べている。



「古英語の与格が位格、具格、奪格を吸収し、これらの格の機能をも兼ね備えるようになったように、格の統合が進むと、複数の機能を担う格ができる。…

一つの格の表し得る意味が多岐にわたるようになると、…どの意味で用いられたのかはっきりしなくなったり、判別がつかなくなることすらある。

このような曖昧さを回避するための一つの手段として発達したのが前置詞の使用である。…

格変化の体系が大きく崩れた英語においては、その反動として前置詞の用法が大いに発達している。」(127−128頁)




こうした変化の結果、近代英語は代表的な格関係のパターンを選定し、個々の語ではあまり格変化を表現しないですませるという方法を選んだ。これが英語の「文型」であり、それは古英語以来の「格変化の体系が大きく崩れた」ものである。

文型の成立によって生じる「曖昧さを回避」し、文型の外に出した実体との微細な関係の表現を担うものとして、前置詞が発達した。

教会堂の内部空間を広く高く確保し、祈りと祝祭の空間をより自由にするために、バットレス構造を建物本体の外に出したゴシック建築に似ている。



ちなみに、古英語が大きな変化をとげ、近代英語が成立していった中英語の時代(1150−1500年)は、まさしくゴシック建築の時代である。









(おわり)









 
| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の文法 トランス・グラマー | 09:53 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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