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ゴシック建築と英語の構造  その1
言語と建築の関係について、面白いと思っていることがある。

ゴシック建築と英語の前置詞の関係である。



ゴシック建築の特徴として、教会堂の外に「控え壁 buttress」と呼ばれる小型の壁を何本も立て、それと教会堂の壁を「飛び梁(りょう) flying buttress」という細いアーチで結合する技術がある。

パリのノートルダム大聖堂が、まるで発射前のロケットのように何本かの尾翼をもっているように見えるのも、控え壁と飛び梁によって建物が補強されているからである(以下、これを<バットレス構造>と呼ぶことにする)。


私は、英語の前置詞がこの飛び梁であり、控え壁は前置詞に附属する名詞(いわゆる前置詞の目的語)であるとイメージすると面白いと思う。

ゴシック建築が、バットレス構造で外部から補強されることによって広く高い内部空間やステンドグラスの明るい壁を確保できたのと同様、英語は<前置詞+目的語>という構造を主構造(いわゆる文型)の外に出すことによって、文型の内部を単純かつスピード感のある空間にすることに成功した言語であると思う。


前置詞句が、いわばゴシック建築におけるバットレス構造のようなものであることは、英語の歴史にも根拠がある。








(つづく)








 
| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 英語 | 18:16 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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