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 魚、水を行くに、行けども際なし  道元『正法眼蔵』



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ヘレン・ケラー "WATER!" にみる言語の真実
ヘレン・ケラーの自伝から抜粋。

有名な"WATER! "の場面。

ヘレンは、ものに名前があることを知らなかった。

あるとき、サリバン先生は井戸水をヘレンの手のひらに流し、すぐにWATER と手のひらに書いてあげた。




「そのときです。体中に電流が走りました。私は今、手に触れている冷たいものが WATER というものであり、ものにはみな名前があることを知ったのでした。

人形にも、お菓子にも、イヌにも、すべてには、そのものにしかない名前がある。そう知ったとき、ひとつひとつのものがなんといとおしく感じたことでしょう。

この時から、私の周りの世界は息を吹き返し、躍動しはじめました。

私の手を通して感じる世界は、あたたかな光の世界へと変わったのです。私はこの手のひらに、すべての闇を照らす太陽をもつことができました。… 太陽は私の中にありました。」




ものにはすべて「名前」がある。「名前」によって、実際世界とは別に、観念の世界が自立する。そのとき、世界は躍動する。

最初にそれに気づいたのが WATERという「名前」すなわち「名詞」であったのは、偶然ではない。言語は実体(表現して「名詞」)を足場にして、実際世界から自立した世界をつくるからである。

健常者には見えにくい言語の原初的真実が、「太陽」として光を放ち、ヘレンに出現した瞬間である。



そして、ものには名前があると知ったとき、ひとつひとつのものが「いとおしく感じた」というヘレンの言葉が素晴らしい。

そこには、上記のような言語の一般的特徴を越えた、ヘレン自身の感覚が表現されている。











 
| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 言語 | 22:22 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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