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ウクライナ問題の盲点
ウクライナの状況が緊迫している。

報道をみていて、ハッとさせられたコメントがあった。

米露関係の研究者・コーエン教授(ニューヨーク大学)の指摘である。



http://www.pbs.org/newshour/bb/debating-moscows-military-moves-crimea/#transcript



◯ ロシアにとって、グルジアやウクライナのような地続きの周辺地域は、アメリカにとってのカナダやメキシコとは意味がちがう。

アメリカがカナダやメキシコに軍事介入したりしないのと同様、ロシアも当然、グルジアやウクライナに介入すべきでないというのが、アメリカの発想である。

しかし、ロシアはそうは考えていない。

むろん、ロシアが本来、グルジアやウクライナに介入する権利があるのかどうかは議論の対象になりうる。

だが現在、ロシアがそのような発想に立っていることは事実であって、そのことはふまえなければならない。



STEPHEN COHEN: Well, let me turn it back to you, because it — what I hear is in the American commentary is, Russia has no legitimate national interests abroad, not even on its borders, as though we don’t care what happens in Canada and Mexico.



この根本的な発想の違いを無視し、ロシアをただ非難し、その結果、いつか住民を戦争に巻き込むとすれば、外交のやり方として「根本的に間違っている I think they’re fundamentally wrong. 」





◯キエフの「政権」は、憲法ももたず、選挙も経ていない。これは正当な政権というより、今のところ過激派の集団にすぎないとみるべきである。彼らは極端な言葉でロシアを挑発し、東西の対立関係をあおり、西側の援助を引き出すことで権力を維持しようとしている。

 

STEPHEN COHEN: Well, I don’t think Kerry is going to Kiev for the reason he’s giving. He says he’s going to find out what this so-called government in Kiev wants.

It’s an extremist government with no constitutional or international legitimacy. It’s unelected. 
 


 


◯ウクライナには、ロシア人とウクライナ系の夫婦で、子どもをもうけている人が数千万人もいる。こうした人たちからみれば、<ロシアか、ウクライナか>は無意味な選択である。

このような住民の現実をふまえず、互いに自分の発想を相手に押しつけようとする大国の空論的外交の結果、じっさいに戦争になったとき、その禍根は将来の世代にまで及ぶだろう。
 



STEPHEN COHEN: Now imagine that on the borders of Russia. I mean, just imagine what that means, the possibility of provocation, the possibility of misunderstanding.
 

And let me mention one other thing. You want to talk about Russia’s ties to Ukraine? There is simply much more primary. Tens of millions of Russians and Ukrainians are married. They are married. They are conjugal. They have children together.
 

You want to divide — put a new Iron Curtain or whatever you call it right through that biological reality? This is madness. It’s gone too far.








(おわり)







 
| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 歴史とは何か | 09:15 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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