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         大鏡


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現代の二大悪 機械的世界観と投機的時間意識 
今村仁司『親鸞と学的精神』(岩波書店、2009年)に、現代精神の二大悪が指摘してある。214-217頁


ひとつは、自然を、ひいては世界全体を、機械と同質とみなす傾向である。

そこに欠けているのは、人間が社会的につくりだす言葉、道徳、芸術、学問、スポーツ、精神、都市、国家といったもの(マルクスのいう「意識形態」)への正当な理解である。

意識形態は、人間の主体的な価値形態づくりから生まれ、そこには現実に合致しない虚偽の意識もふくまれるが、いずれも人間が共同でつくりだした目的や意識であり、私たちはその意識形態を頼りに生きている。このことは不可避である。

人間の主体的な目的や意識の世界を忘れて、この世が機械のようにただ動いているかのような感覚。その弊害に気づかないことじたいが愚=悪である。



もうひとつは、時間をもっぱら投機的にとらえる傾向である。

投機的というのは、目前の成功をねらって、今を忙しく切り分けるのみで、きちんと準備しない態度である。

投機が不要だというのではない。その反面がないところが問題なのである。

反面とは、未来を可能にする<仕組み>づくりの知恵である。

本当の努力すべきなのは、未来を可能にするために、今あるものを組織だてることである。

<断捨離>というが、これは今を組織だてることが過去と未来を整えることになるという知恵である。

投機的な時間感覚の愚に気づかないことは、悪である。



機械的世界観と投機的時感覚は、基底のところでつながっている。















 
| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 歴史とは何か | 10:07 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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