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AIのパワー:貨幣・政府・国語が<数>に収斂している その2

ルソーの社会契約の論法に似ているのが、マルクスの価値形態論である。

 

貨幣のように、あらゆる商品の価値を表現できる「一般的価値形態」がどのように成立したかについて、マルクスはこう述べている。

 

 

 

 

「一般的な価値形態は、商品世界の共同の労働としてのみ成立する。

 

あらゆる商品の価値が表現できるのは、あらゆる商品の全面的な社会的関係によってのみである。」

 

 

(マルクス『資本論』第一巻、第三節、中山元訳、100頁より要約)

 

 

 

 

すべての商品が、貨幣のような特別の商品によって自分の価値を表現することで、はじめて商品世界が成立する。

 

この論理は、すべての構成員が「自己を共同体全体に譲り渡す」ことで、「各個人はいわば自分自身と契約している」状態となり、「この結合行為からその統一性、その共同の<自我>、その生命とその意志[一般意志]を受けとる」(井上訳、前掲、2527頁)というルソーの議論に似ている。

 

 

マルクスは、貨幣のような一般的価値形態は、「すべての人間労働が分かりやすい形で受肉したものであり、人間労働が一般的で社会的な<さなぎ>のようなものに化身したものである」(マルクス同上訳書、101頁)と述べている。

 

これはルソーが、都市国家、共和国、政治体、国家、主権者、国、市民、人民といった言葉で呼ばれるものが、いずれも個人の身体と権利の共同の譲与によって、「個人に代わって一つの精神的・集合的団体を成立せしめ」たものだ、と述べているのに似ている。(井上訳、前掲、26頁)

 

 

 

 

 

たしかに、貨幣も政治体も、人間の意志や労働という抽象的価値を統合した具体的な形態=<さなぎ>であり、構成員の全員によって「暗黙のうちに受け入れられ」た(ルソー前掲書、25頁)、社会的形成物である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | よみがえる史的唯物論 | 06:03 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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