ごきげんようチャンネル


あきらけき かがみにあへば すぎにしも いまゆくすゑの こともみえけり

         大鏡


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あの世の気まぐれ・この世の必然 芥川龍之介「桃太郎」から
芥川龍之介の「桃太郎」(1924年)は、締め切りに追われた作者が、視線を思いきり遠くしてひねり出したような物語である。

直接的には、戦前日本の大陸侵略や、blowback の国内テロに悩むアメリカを思い出させる。

しかし、より大きくは、北斎の富嶽シリーズのような、この世のことはあの世のさじ加減で決まっているというような世界観も書き込んである。

あの世の気まぐれで、この世のひどいことが起こる。

この世の利己的な乱暴者が、自分の正義?を相手におしつけ、傷つける。

いったんあの世で気まぐれがはじまったら、この世がこうなることは必然である。

そして、あの世の気まぐれは永遠につづくー

そういう感覚があって、芥川はいなくなった(1927年)のかもしれない。







資料:芥川龍之介「桃太郎」から抜粋



鬼の酋長はもう一度ひたいを土へすりつけた後、恐る恐る桃太郎へ質問した。

「わたくしどもはあなた様に何か無礼ぶれいでも致したため、御征伐ごせいばつを受けたことと存じて居ります。しかし実はわたくしを始め、鬼が島の鬼はあなた様にどういう無礼を致したのやら、とんと合点がてんが参りませぬ。ついてはその無礼の次第をおあかし下さるわけには参りますまいか?」


 桃太郎は悠然ゆうぜんうなずいた。


日本一にっぽんいちの桃太郎は犬猿雉の三匹の忠義者を召しかかえた故、鬼が島へ征伐に来たのだ。」

「ではそのおさんかたをお召し抱えなすったのはどういうわけでございますか?」

「それはもとより鬼が島を征伐したいと志した故、黍団子きびだんごをやっても召し抱えたのだ。――どうだ? これでもまだわからないといえば、貴様たちも皆殺してしまうぞ。」


 鬼の酋長は驚いたように、三尺ほどうしろへ飛びさがると、いよいよまた丁寧ていねいにお時儀じぎをした。…



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| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 人類史どれどれ虫眼鏡 | 09:04 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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