ごきげんようチャンネル

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岡倉天心『茶の本』の意外 おわり
『茶の本』でわれわれがもっと注目すべきは、次の部分ではないか。


「近ごろ武士道ーわが兵士に喜び勇んで身を捨てさせる死の術ーについて盛んに論評されてきた。

しかし茶道にはほとんど注意がひかれていない。この道はわが生の術を多く説いているものであるが」23頁。


ここの原文は次のようになっている。


Much comment has been given lately to the Code of the Samurai, --the Art of Death which makes our soldiers exult in self- sacrifice; but scarcely any attention has been drawn to Teaism, which represents so much of our Art of Life


「死の術 the Art of Death」と「生の術 the Art of Life」というペアリングから私が連想したのは、鎌倉時代に現れた浄土思想と禅が、今日まで生きている「日本的霊性」の出自であるという鈴木大拙の見方である。

そして浄土思想は死を媒介とし、禅は生を媒介として深められたとすれば、


◯ 武士道と浄土思想は「死の術」

◯ 茶道と禅は「生の術」


というグループ分けが可能かもしれない。

してみれば、わが国は人間の生も死もつつみこむ四つの「術 the Arts」を育んできたのだ。

いずれも、抽象的な思想が抽象的なままに終わらず、日常の生活のあり方へと昇華しているところに、日本の特徴があらわれている。

われわれはこれら<四つの術>をもって、日本文化のbasics(基本)と呼んでよいだろう。

そして天心『茶の本』のユニークさは、武士道や浄土思想や禅とならんで、茶道を日本の「生の術」の代表として称揚したところにある。






(おわり)






| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 名著のアフォーダンス | 13:28 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
コメントありがとうございます。わりと短い本ですので、ぜひ読んでみて下さい。
| みうら | 2017/11/02 3:59 PM |
非常に興味深く読ませていただきました。
岡倉天心の「茶の本」。
非常に興味があったので、さらに読みたいという気持ちが強くなりました。
明日にでも図書館で探してみようと思います。
| kuroneko | 2017/11/02 4:49 AM |









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