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岡倉天心『茶の本』の意外 その4
『茶の本』には、


「翻訳は常に叛逆である」40頁


という言葉がある。「叛逆」というのは、ある言葉を他の言葉で言い換えても


「よくいったところでただ錦の裏を見るに過ぎぬ。縦横の糸は皆あるが色彩、意匠の精妙は見られない」40頁


からである。

外国語への翻訳にかぎらず、言葉を変更することが一種の説明だとすれば、


「容易に説明のできるところになんの大教理が存しよう。

[ゆえに] 古(いにしえ)の聖人は決してその教えに系統を立てなかった」40頁


なるほど、容易に説明できないからこそ大教理なのだ。

そして、もともと説明できないものを他の言葉で言い換えても事情は変わらないだろう。いや、変わらないどころか、かえって原意をゆがめて「叛逆」になってしまう可能性がある。

だが、真意を言葉で伝えようとするなら、表現を多様にして、くりかえし述べるほかに手だてはない。

したがって、翻訳(言い換え)の極意とは、「翻訳は叛逆である」という自覚をもちつつ、表現の原意へと常に遡ろうとする志向に生きることだといえる。









(つづく)










| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 名著のアフォーダンス | 12:56 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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