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トランスグラマーは構造主義と現象学を含んでいる その2

現象学は、このような言語の構造主義的性格が加担して成立している「自然的態度」をいったん「逆転」させるべきだと主張する。

 

 

 

「しかし、確信成立の条件を問うためには、この考え方の方向を変更する必要があります。…

 

『いま私に赤くて、丸くて、つやつやした様子が見えている。だから私の目の前にリンゴが実在しているという確信をもつのだ』

 

という考え方へと変更するのです。」(同上書、74-75頁)

 

 

 

これがいわゆる「エポケー」で、そこから現象学の議論がはじまる。

 

ところで、それなら自然言語は現象学的な発想をただ妨害する存在なのだろうか。

 

上記のように、一般にはそういう傾向をもつだろう。しかし、言語が「自然的態度」を助長するような構造をもつことが十分に認識されれば、話はちがってくる可能性がある。

 

たとえば、上記の

 

 

The photon carries energy. 

 

 

という認識は、なにかが「エネルギーを帯びている」という動態が観察でき、そうである以上、そこに実体があるはずだと考えて、それを「光子」と名づけたことから成立している。

 

そしていったん「光子」という名称が成立すれば、「光子がエネルギーを帯びている」のように、実体から出発してその動態や状態を述べる構造的表現が可能になる。一般の言語表現はこちらである。

 

以上の次第がわかっていれば、言語表現の背後にエポケーの思考を読み込むことは不可能ではない。

 

 

 

 

言語は実体の存在を前提にして、その動態・状態を述べるという表現構造をとる(言語表現の構造主義的性格)。しかし、逆に状態・動態からさかのぼって実体の存在を想定し、それに名称をつけるという認識成立の順序も、言語の構造を観察することによって意識することができる(言語成立の現象学的性格)。

 

現象学的視点は、このように「なぜそのような信念が成立したのか」と問うこと、すなわち「信念成立の条件をさかのぼって問う」という方法であり、それは構造主義的な視点とペアになるべきものだといえる。(同上書、76頁)

 

 

 

 

 

 

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の文法 トランス・グラマー | 06:31 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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