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あきらけき かがみにあへば すぎにしも いまゆくすゑの こともみえけり

         大鏡


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人格的空間を尊重する言語・英語
「喫煙は健康に悪い」を英語でいうとき、

Smoking is bad to your health.

よりも

Smoking is bad for your health.

のほうが良い。

なぜか?という質問に対する答えは、

「そこに your があるから」

である。

you は人格=自由意思をもっているから、そもそも喫煙をするかどうか、喫煙したとして、一日に何本吸うか、どういうたばこを、いつ吸うか。その人に任された選択の余地がある。you の行動次第で、smoking is bad の程度は変わるのである。

この文にはyour があるから、直接的な到達の関係をいうto よりも自由意思の余地を認めるfor のほうがふさわしい。

ところで、これに似た内容を「有害な」という意味の形容詞 detrimental を使って、

Smoking is detrimental to health.

ともいえる。この場合、前置詞はto がよい。 

この文は、

「喫煙は健康に有害である」

という客観的で冷厳な事実を述べている。つまり喫煙者の自由意思を問題にしていないから、物理的・生理的な因果関係をズバリと述べるto がふさわしいのである。

また、英語では所有格になれるのは原則として人格をもつ人間だけである。所有すなわち物の処分権の取得は、人格=自由な意思をもつ人間だけに可能な行為だからである。

「駅の入り口 the entrance to the station」を the station's entrance などと所有格で言うこともあるが、それは駅を擬人化しているか、簡潔な表現を意図した場合である。

人格をもつ存在=人間については、つねに自由意思の余地を認める表現をする。forや所有格はその例である。

このように、人間の人格的空間を尊重する感覚が英語の中核部分にある。

英語は<人間>を中心とする言語なのである。












| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 英語 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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