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『日本の耳』補遺 おわり
◯「話し言葉から語り言葉に変わると、言葉は一気に音楽に近づいてくる。」111頁。

…これは能を観ていて私も強く感じたことで、ここには言語の習得について貴重なヒントが隠れている。

われわれはともすると日常の話し言葉と紙上の書き言葉しか意識しない。しかし両者の中間には様式化された「語り言葉」の豊富なバリエーションがある。

お経、落語、演説、中継、コメント、講義、ニュース…日常会話を離れた言語活動はたくさんあり、それぞれに独特のリズムがある。

語り言葉を明確に様式化して演出したものが演劇であり歌曲である。

話し言葉が語り言葉に変わるとき、

「音量は高まり呼吸が整い、言葉のリズムが現れ、発音は明瞭に、アクセントや抑揚が強調され、音の運動が鮮明になる。音楽的要素によって言葉の陰影が深まり聞き手の心に訴えかけようとする意識に変わる。」(111頁より要約)

いわゆる「英会話」の教科書が覚えにくく面白くないのは、リズムがつかみにくく言葉に陰影がないことが一因である。

ここで思い出すのは、西洋音楽の七音階は話し言葉ではなく合唱から生まれたという著者の推論である。

合唱は言葉のリズムを強調し、言葉の音域を広げ、言葉の意味を深める。合唱は組織された「語り言葉」の一種とみなせる。

外国語の習得だけでなく母語の豊富化のためにも、われわれは「話し言葉」だけでなく「語り言葉」のパワーをもっと活用すべきだろう。








(おわり)







| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 名著のアフォーダンス | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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