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         大鏡


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西洋音楽は概念に近づく その3

西洋音楽は、音を洗浄しただけではない。洗浄された音を組み合わせた。

これはポリフォニー(多声音楽)といわれるもので、複数の音を制御することで音楽をドラマチックに構成する。これも世界の民族音楽に見られない西洋音楽の特徴である。19頁。
西洋音楽はノイズを排除するが、不協和音性(より安定した響きへの進行をうながす不安定な音の組み合わせ)はおおいに利用する。
不協和音性を0〜3の三つのレベルに分けて西洋音楽の流れを表記すると、たとえば
0→2→1→0→1→2→3→2→1→0
のようになる。安定した状態0からはじまり、小さな不協和音性2、大きな不協和音性3を経て、再び0に帰還する。19頁。
これは確かに独特の方法であり、一種の思想性さえもっている。
これが独特だというのは、雅楽や能の囃子方の音楽を思い浮かべれば実感する。
私の体験だが、能の子鼓、大鼓、笛の三人の囃子方が声を出しながら10分くらい合奏したのを聴いたことがある。指揮者はいない。ジャズトリオのように、演奏者だけである。
それは祭りの囃子そっくりに聞こえるのだが、一本調子ではなく、次第に盛り上がったあと鎮静化し、興奮を残して終わった。
西洋音楽に慣れた耳にも満足感があり、邦楽のドラマチックな構成力に感心したのだが、音の構成は明らかに西洋音楽とはちがっている。
いわば、複数のパートの「並走」が邦楽の原理である。それは西洋音楽のようにひとつの不動点(上記の0レベル)からすべての音を制御する論理的な「統合」ではない。18−19頁。
世界の民族音楽を見渡しても、西洋音楽のような統合型は珍しく、邦楽のような並走型(ヘテロフォニー)が主流だという。19頁。
(つづく)
| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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