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         大鏡


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西洋音楽は概念に近づく その1

クラシックのコンサートでは、咳するな、私語するな、身動きするな、笑うな。

 

こんな格式の高い音楽は世界に珍しい(岡田暁生『CD&DVD51で語る西洋音楽史』新書館、2008年、12頁)。

その原因は太古にさかのぼる。
古代ギリシャでは音楽は数学のように宇宙の秩序を明らかにするものというイメージがあった。耳の楽しみというより抽象的な秩序を感じとるべきもの。このイメージは、肉体を否定し天国での魂の救済をめざす中世キリスト教と結びつくことで強化された。
そのため今日でも
「西洋音楽とは官能という音芸術の下部構造を洗浄し、それを鳴り響く数へと昇華しようとする音楽」(岡田、13頁)
という性格をもっている。
洗浄された音=数の体系をめざすのだから、雑音(ノイズ)など、もってのほか。
知り合いのアルト歌手から聞いた話だが、クラシックの声楽では歌手のブレス(息)の音が聞こえるのは最悪とされ、いかにノイズなしで息をするかが大事なのだという。
いかにも堅苦しいが、このようにノイズをなくそうとする努力が、西洋音楽に高い洗練をもたらしたのだろう。
(つづく)
| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 希望の歴史 トランス・ヒストリー | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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