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陶淵明・歸去來兮辭


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二重らせんの発見はなぜ魅力的だったか その1
E.イーデルソン(西田美緒子訳)『クリックとワトソン 生命宇宙への船出』(大月書店、2011年)

DNAの構造の発見がどうして大事件だったのか。

その詳しい答えは私にはわからないが、なぜそれが魅力的な発見だったのかは私にもわかるような気がする。

◯クリックとワトソンという二人の若い科学者の個性。クリックは無名、ワトソンは多弁な変わり者。「クリックとワトソンがDNAを作ったのではない。DNAがクリックとワトソンをつくったのだ」とのちにクリックは書いた。

つまり無名で変わり者だったからこそ発見は反響を呼び、二人の名前は一気に世間に知られることになった。87頁。

ただ、それだけでは足りないだろう。

しっかりした学会があって、発見の内容を正当に評価できる体制が必要である。重要と判断すれば素早く論文を掲載する媒体も不可欠だ。(クリックとワトソンの発見を記した論文は発見から数ヶ月で Nature誌 に掲載された)

社会科学系や人文系の分野では、日本から世界的な学説が生まれる可能性はほとんどないと私は思っている。

学会といっても学芸会のような発表の場にすぎず、他人の考えをきちんと評価できる体制になっていないケースも多い。学会誌といっても悠長な「査読」などで掲載までに1年近くかかることが珍しくない。日本語が読める人はほぼ日本人に限られている。

いずれにせよクリックとワトソンの例は、科学的発見の評価がたんに発見の内容だけでなく、どういう人が発見したかにもかなり影響されるという実例である。










(つづく)














| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 生成文法は消滅する | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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