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「英語が使える日本人」はどこにいる? 爆笑メモ集 その4

■庶民の感覚と識者の見方にはズレがある

「透明でないもの[文法を知らずに丸暗記する決まり文句]をまるまるポンと渡されても、それはコピーにすぎない。自分の理解できないものをただ真似していても、いずれ行き詰ってしまう。」(山田氏、22頁)

「会話ができるようになるには、背後でどれだけの基礎的な訓練をしなければならないか」(山田氏、35頁)

…ここには庶民の感覚と識者の見方のズレが見える。おそらく庶民は、「決まり文句」でさえたいして知らず、まともに言えない自分がちょっと情けないと思っている。識者は「決まり文句」をおぼえてもたいして役に立たないと考えている。

庶民は英語といえばあいさつとか道案内とか旅行会話からスタートというイメージがあり、「決まり文句」と「英会話」は似たようなものだろうという感覚がある。識者は、コピーするだけの「決まり文句」と思考のやりとりをする「英会話」のあいだには大きなギャップがあることを知っている。

同じようなズレが、発音についての見方にもあらわれている。

「良い発音で子どもの英語をしゃべってもしょうがないでしょう。」(斎藤氏、63頁)

言葉は発音より中身であり、たとえ独特の発音でも「型」がしっかりしていればよい。その実例が南方熊楠であり鈴木大拙であり國弘正雄である。62‐63頁。

あげく、識者は次のようにも考える。

「小さいときに、なまじ『立派な』発音を身につけてしまうと、それだけで『英語ができる』と勘違いしてしまうことにもなりかねません」(山田氏、62頁)

ここにも庶民の実情と識者の感覚のズレが見える。庶民は発音まで考える余裕はないが、せめて決まり文句だけでもきれいに発音できたらいいなと内心思っている。識者は発音が良くても内容が幼稚な英語では恥をかくという感覚がある。

庶民は発音の「型」など自力ではつくれないと感じている。識者は、先人や自分も自力で「型」をつくったのだから、長年英語をやれば誰でもできるはずだと思っている。

つまり庶民は、「決まり文句」なんか役に立たないぞ、発音なんか良くてもたいしたことにはならないぞと偉い人たちに言われていることになる。

識者ほど英語に時間と労力をかけられないし、そのつもりもない庶民は、「じゃあどうしたらいいの?」となる。

もちろん、学校でわざわざ英語を教えるなら文法抜きの「決まり文句」「立派な発音」ではダメだと識者がいうのも、よくわかる。

ならば学校の外でやる英語では、庶民のための「きれいな発音でいう決まり文句」であってもいいかもしれない。しかし、それで「いい」かどうかは庶民が決めることになる。学校のように強制ではないからだ。

それにしても、英語の偉い人たちと庶民のズレはどう埋まるのか。どうにもよくわからない。

ああ、ややこしい…






(つづく)






| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 小学校の英語教育 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |









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