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デカルト「われ思うゆえに…」の謎を解く パスカルの「葦」がヒントだ

デカルト(1596-1650)の「我思う。ゆえに我あり」。

 

これをどういう意味に理解するかが、繰り返し論じられてきた。

「我思う」という断定じたいに「我あり」という前提が含まれているのだから、これは一種の詭弁(論点先取りの誤謬)だという批判もある。

 

「ときどき私は考える、ゆえにときどき私は存在する」(ヴァレリー)と茶化した人もいる。

 

 


考えてみれば、ほぼ同時代人のパスカル(1623-1662)の有名な言葉は、デカルトの続編としても読める。

 

 


「人間は一本の葦にすぎない。しかし、それは考える葦である。宇宙が彼を押し潰しても、人間は彼を殺すものよりも高貴であろう。なぜなら、彼は自己が死ぬことを知っているが、宇宙はそれについて何も知らないからだ。だとすれば、われわれのあらゆる尊厳は思考の中にある。空間によって宇宙は私を包含するが、思考によって私は宇宙を包含する。」(パスカル『パンセ』より要約)

 

 


私は、宇宙を外から眺めている自分を想像し、その自分とは誰なのか?と考えて、寝床でぞっとしたことが何度かある。

 

 


さて、デカルトやパスカルが背後にもっていた問いは、「人間は何のために生きているか?」であろう。この問いについて、私の好きな答えは、

 



「宇宙の一部である人間が宇宙の存在を意識することで、宇宙は自分の存在を意識できる。だから人間は存在価値がある。」
 

 

 

というものである。

デカルトやパスカルの言っていることは、宇宙的スケールでいえば、
 

 

我思う、ゆえに宇宙あり、ゆえに我あり。」
 

 

 

ということだと、私は解く。

「神の意思」(→宇宙)に思いをはせるキリスト教が人間に充実感を与えるのも、「我思う、ゆえに宇宙あり、ゆえに我あり」の思考回路がもつパワーのゆえだ。南無阿弥陀仏もこれに類似する。

 



思考によって全体をとらえ、その中に自分を置きなおす。置きなおしつづける。視点を絶えず更新する思考習慣。その習慣がもつパワー。それが哲学であり宗教なのだ。


 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 哲学は終わった | 08:55 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
 これは、論理的には主観と客観、親と子の関係と同じ気がします。

主観とは脳の機能です。これに対立するのが客観で、現実の世界は主観とは無関係に存在します。

主観の成立により、それとの関係において客観という規定を受けとることになります。現実の世界それ自体が主観との関係において客観とよばれるので、これを客観的実在と理解することになります。

主観と客観とは不可分関係にあると同時に、現実の世界それ自体は主観から独立して存在しているという矛盾した関係にあります。

これは、子供をもたない夫婦を親とは呼べないように、子供を持つことにより初めて親という規定を受けとるので、親と子の関係は不可分です。しかし、この不可分関係は、子供が生まれたときそれと同時に親と呼ばれる人間それ自体が無から現れてきたことを意味するものではありません。

人間も宇宙すなわち客観の一部でありながら、人間の思考の展開により初めて宇宙という規定を受けとるのであり、宇宙(客観)と人間の関係は不可分です。不可分関係にあると同時に、宇宙それ自体は人間(主観)から独立して存在しているという矛盾した関係にあります。

デカルトの心身二元論という機械論的形式主義、合理主義はヘーゲル―マルクス/エンゲルスによる弁証法的世界観、矛盾論により乗り越えられなければならないと考えています。

そこに、哲学の終焉、科学への移行を見なければならないのではないでしょうか。■
| YAGURUMA"剣之助" | 2017/08/02 10:07 AM |









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