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ジュエリーの極意  おわり
この本には、ジュエリー産業の関係者へのインタビューがのっているが、そのなかで感心したのが、ジュエリーアーティスト(カメオ製作)の中場信次さんの言葉。

「アンティークのカメオ屋さんで『同じ物は今の時代ではぜったいに彫れない』と言われました。たしかに彫れないけれど、同じ物が今彫れても魅力がないと思う。今の時代だからこそ作れて、しかも昔と同等の素敵さを持ち合わせた物をつくらなければ、人間が代々つながっていく意味がないんじゃないかな。僕は現代の技術やアイデアを使って、新しいカメオの世界に行きたいんです。」49頁。

じっさい、この言葉にふさわしい、月の女神 Selene のカメオ作品に感動した。その神秘性は写真でも十分にわかる。45頁。

さて中場さんの言葉は、わがサウンド・ステップスと共鳴するところがある。

「よくあるイタリアのカメオだったら、たぶん僕は比較的短時間で彫れると思う。あれってパターン化されていて、工芸品の域を出ていない。立体的な人物は頭の中で確固としてイマジネーションを描きながら彫らないと安っぽくなってしまう。」46頁。

カメオと同様、確固とした発声器官の動き→声のイメージをもつことが、しっかりした造形=外国語による表現につながる。

次の言葉は、いっそうサウンド・ステップスを思い出させる。

「外国のコインやレリーフ、古いカメオもたくさん模刻しましたね。一人で勉強するならば、最初はいい見本をたくさん真似することが一番の早道だと思う。いきなり人の顔を見ながら彫りはじめても、ヘンな物ができあがるんですね。そっくりに作るだけなら機械でもできる。彫刻は見た物を彫刻言語に転換する作業がないと素敵にはならない。」48頁。

外国語はカメオを彫るようなもの。

ネイティブを直接真似ようとしても「ヘンな物ができあがる」。

一流の人間にふさわしい外国語は、われわれ外国人が把握できる「彫刻言語に転換する作業」をまずおこない、そこから表現しないと「素敵にはならない」。





(おわり)








| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 男のファッション | 20:43 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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