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そらになる心は春の霞にて よにあらじとも 思ひたつかな

西行



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「不都合な真実」の説得力と違和感 おわり
ゴア氏が歴史を「越える」というとき、自分はすでに「越えている」というニュアンスが潜んでいる。

問題が解決したわけではないが、問題がどこにあるかを自分は知っているという意味で自分は先を行っている。そういう意識がある。

そういう先取りした立場から「歴史を越えられるかどうか rise above history」という言葉が出てくる。

他方、オバマ氏が歴史を「選ぶ」というとき、いったん過去にさかのぼり、そこから力をすくいあげて前進するというニュアンスがある。

問題の解決法を自分が知っているとは限らないが、力の源泉はすでに昔からあるのだから、みんなで力をあわせれば、これまで通り困難を乗り切れるはずだという角度である。

オバマ氏が時代を先取りしているというよりも、「歴史の良き力を動員することが大事だ choose our better history」という方向である。

ゴア氏の表現がどこか孤立的で、悪くいえば独善的なエリート臭さがあるのに対し、オバマ氏は過去も民衆の力も味方につけるトータルな知恵が感じられる。

私は歴史を教えてきたが、恥ずかしながら、歴史家でもないオバマ氏に「歴史の良き力を動員する」という知恵を教えてもらった。

いつも過去からの力を借りながら前進する。

ゴア氏(と私)に欠けていたのは、そういう知恵だったと思う。





(おわり)







| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 映画の英語 | 13:11 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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