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仏像は、古代の宇宙観である

亡くなった西村公朝師の大著『仏像の再発見 鑑定への道』(吉川弘文館、1976年)に、仏像に現れた仏教の世界観をうまくまとめた文章がある。

 

 

仏像には如来、菩薩、明王、天部の四種があるが、その相互関係は、次のようになっている。

 

 


如来  この宇宙の森羅万象は、どこからか来て、仮の姿をとったものである。人間も花も鳥も山も川も、いま「そうであるかの如き」姿をしている。この世にあるすべてのものは、本質のわからない「如」(にょ)の世界から「やって来た」のだ。ゆえに、この世のすべてのものを「如来」という。
 

 

菩薩  「われわれの周囲にいる各如来は、おたがいに助け合っているのです。その助けられたAと、助けてくれたBの関係は、BがAに対して菩薩になっているのです。」「菩は香草(こうそう)、薩は救うという意味です。」 たとえば「人と米の関係は、米は人に対しては菩薩になります。」26頁 こうして、ある如来は他の如来の菩薩となり、世界が助け合っている。

 

 

明王   如来かつ菩薩たる米は、「太陽と水、すなわち地・水・火・風・空の働きが加わって成長します。この偉大なエネルギーを明王といいます。」26頁  明王は、如来・菩薩を生む宇宙エネルギーの擬人化である。

 

 

天部   「こうした宇宙のバランスを護っているのが天部と解釈できるでしょう。」26頁

 

 

 


こうしてみると、確かに、この四種以外にこの宇宙にはなにも必要ない。

 

如来の本質は自己運動する宇宙の摂理そのものであるから、如来の目は内省的な半眼に造り、静かに座っている作例が多い。菩薩は、立っていたり、片足を少し出したり、動物に乗ったりと、今にも助けようとする姿勢をとる作例が多い。明王や天部は、エネルギーや守護の活動そのものであるから、力強い姿のものが多い。

 

仏教で四大(しだい)とされる地水火風は、如来(地)、菩薩(水)、明王(火)、天部(風)と相性が良い。偶然だが、現代物理学が宇宙の基本相互作用とする力も、四種類である。

 

 

そして、

 

 


この宇宙のすべてのものが如来であり、たがいに菩薩になりあうのですから、この宇宙には無数の仏がいることになります。」26頁

 

 


宇宙とは、「無数の仏」が出現したものなのだ。この豪華絢爛なイメージから、曼荼羅が描かれ、無数の明王、天部が創作された。

 

 

 

 

なにものも絶対ではなく、すべてが連関して調和する世界。仏像が表すものは、このviewpoint(観点)そのものだ。


 

 





 

 空と近淡海(ちかつあわうみ)。向こうは比叡山系。

「空海」と「最澄」が一枚になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | ブッダ暗殺 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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