ごきげんようチャンネル


あきらけき かがみにあへば すぎにしも いまゆくすゑの こともみえけり

         大鏡


自分のイスを作るという驚異の行為
 『月刊ペン』の最新号(2010年6月15日号)は充実している。

「デザインの教科書」と題する特集のなかに、イタリアのデザイナー、エンツオ・マーリのインタビュー記事があり、マーリの最新作「セディア1」の写真が載っているのだが、これが中学生の工作のように素朴な白木のイス。

しかも7枚の板を6本の釘でユーザー自身が組み立てるという、およそ製品らしくない製品。

これが今年の発売以来、すでに2万から3万脚が作られたという。32−33頁。

有名なデシャンの便器にちょっと似た逆転の発想だが、このイスは大量生産され実用性があるところが違う。

現代デザインの底力を見せつけらるような作品、いや製品だ。

とくに考えさせられたのは、記事のなかの次の言葉。

自分の椅子を自分で作るという行為。そこにはどんな無駄も、矛盾も、利害関係もない。」32頁。

これは驚異の発見だ。

人は自分のイスを作れば、それでいい。

このイスはそう語っている。





| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 美人計画 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
年中ゴールデンウイークにすればいい

ゴールデンウイークも終わり。

気のせいか、ゴールデンウイークの日本はウキウキしている。

これはとてもいいことだ。人間はウキウキするために生まれてきたようなものだから。

ならば、年中ゴールデンウイークにすればいい、と思うのは私だけか。

もちろん、ゴールデンウイークで遊ぶ人もいれば、ゴールデンウイークがかきいれ時の人もいる。

だからかわりばんこに遊び、働けばいい。

手始めに、毎月ゴールデンウイークをつくって、みんなで交替したらどうだろう?

見ただけでウキウキする楽しい商品のように、日本がピカピカに輝くのでは?

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 美人計画 | 21:11 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
外国語は合唱である  合唱法からのヒント おわり
□先生がメロディーとリズムにあわせて歌詞を「しっかりと読んでみる」。すると音痴に聞こえるのでおもしろい。

そうやってみんなで読んでみる。遊び感覚でリラックスして読める。

そのうち自然にメロディーをつけてしまう。

すると「すごい!もうチャンと歌ってる!」とほめてあげる。84‐85頁。

これは外国語にも使えるかもしれない。歌詞を読ませるうちにメロディーになる。自然にリズムがわかってくる。

□高い音は出しにくいものだが、低い音から高い音へと「上がる」とイメージするとむずかしい。逆に、上から「下りる」とイメージすると、心理的には低い音になるから出しやすい。98頁。

これはカラオケの極意のひとつだが、じつは外国語でも同じ。

たとえば鼻音のはいった単語ははじめから鼻音で言うといいやすい。

□子音が美しくなると歌詞がはっきりする。子音を練習するには、「ひそひそ話」で読むとよい。102‐103頁。

英語はもとより子音が大事だが、それを鍛えるには「ひそひそ話」がよいかもしれない。

□合唱は80%の力で歌うと落ち着く。107頁。

□楽譜には赤ペンで注意事項を書き込むと、格段に練習効果が上がる。108頁。

□合唱の練習は寝転がれるような広いところがよい。体をほぐす体操ができ、練習の合間にゆっくり休める。109頁。

□歌だけでなく、ナレーションを合間に入れれば、複数の曲を組み合わせて「四季」を表現するなどのバリエーションが可能になる。110頁。

以上から、全体にいえること。

「お母さんが電話にでたときの声」とイメージするとか、メロディーを無視して歌詞を読んでしまうとか、「ひそひそ声」でとか、体をほぐすとか、メモをとったほうがいいとか、目を開くとか、歌そのものではない工夫が大事。

これは本道を忘れているのではない。歌をつくりあげるために、人間のイマジネーションを引き出す工夫をしているのだ。

外国語は歌である。

しかも単独ではなく合唱である。

これは勉強になりました。



(おわり)



| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 美人計画 | 08:09 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
清潔でていねいな声で 合唱法からのヒント その2
□「歌をうたうときは、話声チャンネルから歌声チャンネルに変えましょう」。49頁。

そう。チャンネルを変える。そしてこちらは「ごきげんようチャンネル」。

□遊び気分で声を出させると、子どもは簡単にふだんの声域を越えられる。17、48、52頁。

「汽車の汽笛でポー」
「山登りでヤッホー」
「ユーレイの声」
「魔法使いのおばあさんの声」
「電話に出たお母さんの声」

□「声は目から出す」「目と目のあいだから声を出す」という言葉がある。41頁。

目がしっかり開くと明るく響く声が出る。そして人は話の節目で瞬(まばた)きする。

しっかり目を開き、節目で瞬きすると、メリハリのある発声練習ができる。

□「元気よく大きい声」「美しくきれいな声」よりも「清潔でていねいな声」が気持ちのよい合唱になる。66‐67頁。

これはいい言葉だ。外国語もまさに「清潔でていねいな声」で。




(つづく)





| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 美人計画 | 07:57 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
外国語には発声法がある 合唱法からのヒント その1
八木正一編著『改訂新版 だれでもできる声づくり・合唱づくり』(学事出版、2008年)

声づくりの意味を合唱から考えるヒントになる。

□歌のジャンルごとに独自の発声法がある。

民謡、オペラ、浄瑠璃、ヨーデル、カントリーウエスタン、ロック、ホーミー、演歌、フォーク…

歌のジャンルと発声法は一体。違うジャンルなのにいつもの発声法だと歌いにくい。17−18頁。

言語も同じ。言語の数だけ発声法がある。言語がちがえば発声法を変えるのが賢明。

□民謡やお経のように、日本では声の高さやリズムを厳密にそろえること、つまり西洋風の均一的発声法には関心が薄かった。「バラバラ」をむしろ好んだ。22頁。

日本で外国語の発声法に関心が薄いのは、そういう伝統も関係しているのかもしれない。

□声づくりには、姿勢、呼吸、共鳴の三つのポイントがある。24頁。

ひとつの外国語を習得することは、ひとつの歌のジャンルと、その発声法を身につけること。ならば、その外国語にふさわしい姿勢、呼吸、共鳴の要領を意識的に身につける必要がある。

ところが英語ひとつとっても、声づくりのためのスタンダードな方法がなかった。




(つづく)



| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 美人計画 | 07:52 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
美人とは自他の個性が尊重できる人のことである おわり

石田かおりさんがあげる美人の三条件(言葉づかい、立ち居振る舞い、教養)とは、自分の「型をもつ」ということであり、「型」とは「美しい身体技法」のことである(石田前掲書、186‐187頁)。

外国語についても、このことが実によくあてはまる。

外国語は「言葉づかい」そのものである。それには言葉をささえる全身の「立ち居振る舞い」が必要であり、言葉の内容をささえる「教養」が問われる。

外国語とは、美人の三条件をそなえた自分の「型」をつくることであり、その型を利用して、日本語が通じない人に対しても自他の個性を尊重できるようになることである。

つまり外国語は、まさしく美人になる方法なのだ。










(おわり)













| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 美人計画 | 17:56 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
美人とは自他の個性が尊重できる人のことである その2

「美人」とは高い品位をめざしている人のことだ。

人間の品位はどこから生まれるか。

それは自分と他人の個性を尊重する態度から生まれるのだ。

個性は年齢や男女の区別にかかわりなく、すべての人に存在する。

すべての人が個性的である。つまり個性こそ平等に与えられているものだ。

だからすべての個性を尊重する態度は人を平等にする。

人間とは個性のことなのだ。だから憲法でも「個人の尊厳」が政治や社会の究極の目的とされている。

個性の尊重こそ人を平等にし人の品位を高める

美人の三条件(言葉づかい、立ち居振る舞い、教養)とは、人が自他の個性を尊重できるための普遍的形式なのだ。

われわれは、この簡単な真実を忘れがちである。

忘れがちだから、この真実を実践された人にとっては意外であり(外して平等)、シンプルさで人の心を打ち(下げて平等)、お互いの品位を高める(上げて平等)。









(つづく)








| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 美人計画 | 11:49 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
美人とは自他の個性が尊重できる人のことである その1

以前「アキュライズ美養品」という会社はお客さんを年齢や性別で分けることはしないということを書いた。

その人が何歳か男か女かといったことではなく「何に価値をおく人か」によってお客にふさわしいかどうかを考えているというのだ。

そこで思い出したのが、かつて読んだ「美人の三条件」という話だ。

三条件とは仝斥佞鼎い、⇔ち居振る舞い、6詰椶里海箸如◆屬海譴蕕呂い弔任盂容世鬚呂犬瓩襪海箸できるうえ、誰でも獲得することができる」(石田かおり『化粧と人間ー規格化された身体からの脱出』法政大学出版局、2009年1月、187頁)

この三つはすべて「人間の品位を高める」ものである。基準が「人間」である以上、「性別も年齢も人柄も問わない」(同上書、187頁)

このように年齢・性別を越えて「人間」という根本的レベルでものを考える思想は、男性よりも女性のほうがなじみやすいのかもしれない。

女性は子どもを産む。子どもは男かもしれないし女かもしれない。しかし産まれていくるのは人間にはちがいない。女性はそういう発想を身体で知っているような気がする。

いずれにせよ、「あきゅらいず」や石田氏にしたがえば、「美人」は女性とは限らないことになる。








(つづく)








| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 美人計画 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
「女性の品格」は女性にまかせよ
いま、「女性の品格」の坂東真理子さんを紹介する番組をやっているが、彼女の小さい書斎に、古い漫画があるのが映っていた。

それで思い出したことがある。

えらく前のこと。源氏物語を漫画にした作品があるという話をきいて、子どもに読ませようと思い、ブックオフで探した。

「あの、『ちりぬるを』という源氏物語の漫画があるそうで…」

ちょっとお待ちください、と言ったまま、店員のおじさんは、なにやら向こうでひそひそと相談している。

もどってきた店員さん、

「こちらにどうぞ。」

というと、これですね、と指差した。

それは『あさきゆめみし』というタイトルだった。

なんとまぁ、変なタイトルを平気で言う客も客だが、そこから実物を探し出した店員さんの実力には、脱帽した。

その『あさきゆめみし』が、坂東さんの書斎にあった。

われながら、つまらんことを覚えているもんだ。この話のどこにも、品格はないな。

やっぱり「品格」は女性にまかせるべし。

| 三浦 陽一 (みうら・よういち) | 美人計画 | 23:34 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
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